「寸法と着姿のつながりを追え!」続編 マイサイズは1つじゃない!?
『月刊アレコレ』Vol.196発行しました。
前号でお届けした「寸法と着付けと着姿」の関係。
理想の着姿を具現化するための着付けスキルは
自分なりに磨けるけれど、
寸法は変わらないとお伝えしました。
だからこそマイサイズが大事なのですが、
このマイサイズを皆さんはどう捉えていますか?
基本、「自分の体にピッタリした寸法」――ですよね。
自分の体に合わせた「ピッタリ」なら、
寸法は1つ……のはずです。
しかし、この「ピッタリ」の寸法、
1つではない、のです。
大事なことなので、もう1度言います。
この「ピッタリ」の寸法、
つまり、マイサイズは、1つではない、のです。
どゆこと?????
きもの上級者や寸法に詳しい方はおわかりだと思います。
いつも長くなるので(笑)結論から言います。
いい? オカムラ、
「マイサイズ」は、きものの種類で変わる~~(←チコちゃん風)
わかりやすく言うと、
特にその法則が適用されることが多いのが、
普段着と式服(フォーマル)
普段着は、手早く着られて、着やすい(動きやすい)こと、
だからといって、着崩れないこと、が大事。
一方は式服。訪問着や振袖、留袖、紋付き等ですね。
こちらはあらたまったシーンとなり、
着姿としての品格や美しさが求められます。
フォーマル系と、↓
普段きもの↓
なので、木綿や紬より裾は長めで、
おはしょりも丁寧に整えるので(二重上げとか)、身丈が長めに。
同様に、裄もやや長めのほうがエレガント。
またフォーマル系は補整も
しっかり入れる場合が多いので、
全体に普段着より大きめになります。
よく、誂えたフォーマルが大きめで
着にくいという声を聞きます。
実は今回の特集の読者モデルのかたもそうでした。
しかし、フォーマル系が大きめなのは、
それなりの理由があるのです。
それが、上記のフォーマルらしい「着姿」の品格や
エレガントさやスマート感が求められるからなのです。
そして、もうひとつ、これも大事なことですが、
フォーマル系のきものは普段着と違って、
一生に何度も誂えるものではありません。
なので、体型の変化をある程度吸収できる寸法を考えて、
ある程度、しかし不自然なくらいではなく、
大きめにできているのです。
訪問着は絵羽模様で。前から後ろへと柄が続いています。
この柄は標準寸法を基準として描かれているので、
絵羽模様を優先させると、小柄な人には大きくはなりますね。
では、身幅を広げるときは?
今回のもうお1人の読者モデルがまさに
この身幅が足りない問題をどうするか?でお悩み。
そのジャッジなど、詳細はぜひ本誌で。
さて、この孔雀の訪問着の解決策は??↑
で、普段着寸法に戻ると、
普段着は基本、自分でサッと着たい。
余計な手を増やしたくない。
特に身丈はおはしょりの手間に関わるので大事。
また、「マイサイズ」は、きものの種類で変わる法則
これが、普段着:フォーマル系 以外では
小紋:綿麻(orゆかた) でも同様です。
涼しさも考慮したいので、綿麻やゆかたは
同じ普段着の紬や小紋より、裄も若干短めに作る人もいます。
襦袢との兼ね合いではありますが、
そういう人は、夏物は涼しい筒袖を愛用することも多いよう。
私も、夏は涼しさ優先で、筒袖半襦袢を使います。
ということで、
実際のきもので検証した
「寸法と着姿のつながりを追え!」の続編、
ぜひ本誌で御覧ください!
ところで、先に紹介しているこの色無地。
見た目はたっぷり目の寸法に見えますが、
着にくいと言います。
大きめだから……という理由ではありません。
なんと、一つは意外な寸法、身八つ口でした。
なぜ、身八つ口が?? も、本誌で。
月刊アレコレは書店では売っていません。
ご購読は送料無料の年間購読がお得です。