青木正明先生の「染色講座」がおもしろい!
月刊アレコレは、ごく一般のきもの好きな人や、
興味がある人を対象とした編集内容ですが、
きものを仕事にする人たちが読んでも
役立つ専門的な情報もしっかり取り上げています。
そのなかの一つが、青木先生の「青木正明の染色講座」。
通常の染織に関する連載は
職人さんや工房を取材して現場から
お届けすることが多いと思います。
創刊以来、月刊アレコレも職人さんに
スポットを当ててその技術を
お届けすることが多かったのですが、
青木先生はちょっと変わり種。
ご自分で染める染色家ではありますが、
染色のことを化学的に研究している方です。
たとえば、草木染めはやさしい穏やかな色と
いわれていますが、それはなぜか?
また、そもそも、「染まる」ということは
理論的にどういうことなのか。
そこを技術だけでなく、化学的な視点で
実験過程を画像にした上で、
わかりやすい説明をしてくださいます。
ある意味、理科室の実験みたいな講座です。
……というと、理科、苦手~、という方、
きっといると思います(笑)。
しかし、それが不思議なことに
「きもの」を軸にその実験と言える染色過程や、
先生の噛み砕いた解説を読むと、
「そうなんだ~!」と脳に入ってくるのです。
なんでも「好きこそ~」ですよね。
学校の理科の勉強となると嫌いでも、
きものの染めの話となると、ギンギンになってしまいます(笑)。
というのも、とにかく解説がわかりやすいからなのです。
先生は東大医学部から着るものや染めに興味をもって、
染色の世界に入ってこられた方です。
大学でも教えていらして、
元が理系の方なので、実は化学式も
実は説明に元素記号も使います。
(これも従来の技術としての説明にはなかった部分)
しかし、その記号がイラストのような「図」になっていて、
元素記号がわからなくても、視覚的に入ってくるのです。
これも先生が説明のためにご自分で
作成してくださいます。
例えて言えば、元素記号が「赤」や「黄色」
という顔に見えてくるのですよ。
ほんとうに、染色のでんじろう先生のようです(笑)。
次号で7回目になりますが、
ぜひ最初から読んでいただきたい。
(バックナンバーでもご購入できます)
ほかにはない、月刊アレコレならではの、
「専門的なことをやさしく、わかりやすく」を
方針とした連載、保存版です。
次号は紅花染めの2回目。
なるほど~。
紅く染まる紅花染めと、黄色に染める紅花染めと、
黄緑に染まる紅花染めがあるのはこういうことね。
とわかります。
いままで特にわかりやすかったのは、草木染めの記事。
草木染めはなぜ「やさしい色」なのか。
それは(ざっくり一言でいうとですが)中間色となるから。
では、なぜ中間色なのか。
多分、誰が読んでもわかった!
(ような気になる(笑))と思います。
でも、そこが大事。別に私たちは元素記号を
覚える必要はないのです。
感覚的に、理解できれば、それだけで染めが
別観点から探るきものがおもしろく感じられます。
ぜひぜひ、読んでいただきたい!
なんか、編集人のオタクな気質が
滲み滲みした投稿になっちゃいました(笑)。
青木先生は京都の大学で教えていらして、工房と染色した商品を扱った店舗
teomeya も構えていらっしゃいます。
お近くのかたはお立ち寄りください~。
とても素敵な先生です。会えたらラッキー。
(掲載の記事は1回目のときの
バックナンバーVol.178に記載)
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