月刊アレコレ

「染色」がメチャわかりやすく、たのしく理解できる青木先生の連載、開始。

月刊アレコレ最新号Vol.178 好評発売中です。

今回は「#StayHome お家できものを充電」特集。

月刊だからできるタイムリーな特集です。

そして、今回からスタートした新連載をご紹介します。

 

178cover.jpg

 

 

ちょっと硬派な連載「きものの基」ーー伝統産業を伝える切り口で

きものの伝統技術や、伝統工芸士、産地などをとりあげる、

ちょっと専門的で、まじめな内容を、わかりやすく伝える連載です。

 

この「きものの基」に、新たな執筆者をお迎えしました。

 

大学で染色を教える研究者で、

また、京都・天然色工房tezomeya

主宰者でもある青木正明先生。

 

とてもわかり易い解説が好評で、

この度、「青木正明の染色講座」新連載スタートしました。

 

いってみれば、きものの学校の「理科」と「染色の歴史と技術」です。

寧に噛み砕いて教えてくださるので、

先生の解説はほんとうにわかりやすいっ!

読み物としてもおもしろい!

 

先生は東大医学部出身でいながら

着るものが好きで進路を変え、アパレル系メーカー勤務から、

染色、特に草木染めに魅せられて染色の研究をするようになり、

商品も製造しているという、ユニークな経歴の持ち主です。

 

青木先生フ?ロフ写真.jpg

 

そんな先生の人柄が伝わる語り口が、

そのまま文に、行間に表れています。

 

編集人が先生と初めてお目にかかったのが、

先生の黄櫨染の染色WS(ワークショップ)です。

 

ご即位の時期だからこそのWSでした。

先生は普段、京都にお住まいですが、

そのWSは、群馬県は高崎市の染料植物園で行われました。

 

ここは草木染めの材料になる植物を植樹している、

全国でもめずらしい植物園です。

 

富岡製糸場でも知られるように、

群馬県は古くから養蚕、製糸業が盛んで、

激減したとはいえ、現在でも製糸業では日本一です。

 

その製糸業が盛んな群馬県ならではの施設だといえます。

 

そのときの講師が青木先生でした。

実際に黄櫨染の手順を見せてくださいました。

解説がとてもわかりやすく、親しみやすいものでした。

そこからの、お声がけで執筆をお願いすることになりました。

黄櫨染って、ハゼ(黄)とスオウ(赤)を使ってあの色を染めます。
陛下の御袍もです。

 

↓黄櫨染を染める手順のなかにもあるスオウ染め。(青木正明先生提供)

写真?.JPG

 

黄櫨染を染める手順のなかにもあるハゼ染め。(青木正明先生提供)

ハセ?て?染めている途中の色.JPG

 

染めというと、引染めやら、浸け染めやら、絞り染めやら、

技術的な観点から紐解くことが多いと思います。

 

それはそれでいいのですが、そもそも、

 

「染まるってどういうこと?」

「染まるメカニズムって?」

 

と、考えたこと、ありませんか?

 

いえ、「ない」と、きっぱり言われると

「そうですか……」なんですが(笑)。

「考えてみる」というより、ちょっと識ってみると、

これがまたおもしろいのですよ〜、ほんと。

 

化学的なハナシからになるので、従来、そこから触れることがなく、

次の段階の技術のところから入ることが多い。

 

でも、青木先生の解説は、でんじろう先生のように(笑)、

とてもわかりやすく、おもしろい。

 

この「おもしろい」がポイントです。

 

そして、きもの関係者の方にも絶対オススメです。

技術は識っていても、意外と染まることの理論って、

識らない方、多いのではないでしょうか。

 

そう、第1回目の今号は、まさに

 

「染まるってどういうこと?」

 

ということを化学的に、でもすごくわかりやすく

説してくださっています。

 

特別に、読むネット講座として、一部、紹介します。

 

   ↓

 

“染まる”ってどういうこと?   

京都光華女子大学短期大学部 准教授:青木正明

 

中学校の時に習った「分子(ぶんし)」という言葉、

覚えていますか?

 

分子とは、その物質の性質を兼ね備えた、

一番小さなモノのことですよね

(もちろん顕微鏡などでは見えない、とても小さいものです)。

 

 (・∀・)フンフン、なんとなくそれはわかる。←青字は編集人注釈

 

この分子の形が細長くてしなやかだと、

それらがたくさん集まってできた物質も

細くてしなやかになります。

 

 (・∀・)「しなやか」が集まると、「しなやか」ができる。

 うん、道理。理解。

 

そうやってできた物質が「繊維」です。

 

 (・∀・)なるほど。これも理解。

 

絹や綿や毛といった繊維状の物質は

全て、細長くてしなやかな分子でできているのです。

 

 (・∀・)フンフン。

 

実際には見たことはありませんが(笑)。

そしてこれら繊維の細長い分子は、

たくさんの「手」を持っています。

 

 (・・? 繊維が持つ「手?」

 

この手は、他の物質の手とくっつく性質を持っています。

世の中には他にもいろんな形や性質の分子がいます。

 

 φ(..) ふーん。くっつく手。

 つまり握手するというか、手を握るということ…?

 

では、色々な種類の分子から、

  • 色を持っていて、
  • 水に溶けて、
  • 手を持っていて、

 

 という3つの性質を兼ね備えた分子を連れてきましょう。

 

 (´・ω・`) んん?? つまり、これが「染料」ってこと?

 

 そしてこの分子と、先ほどの繊維の分子を

 同じ水の中に入れて動かしてみましょう。

 

 (・∀・)「この分子と」というのが、

 先の3つの性質を持っている「染料」で、

 で、もうひとつが、「しなやかな分子」=繊維 ね。

 

 すると、この分子がたまたま繊維の分子の近くに来ると、

 この分子の手と繊維の分子の手がくっつきます!

 これが、「染色」、「染まるということ」です。

 

 (*´∀`*)「手」が握手するってことね。

 握手、つまり「くっつく手」を持つ分子同士の結合が

 染まるということだ。

 白い繊維が、たとえば染料が赤なら、赤い色を迎え入れたってことね〜。

 

 手同士が「たまたまくっついた」ので(笑)

 「たまたま繊維とくっつかなかった」染料の分子は水に溶けるので

 水が色に染まるということ? よね。

 ガッテーーーン!

 

 

ということです。紹介したのは先生の文の一部ですが、そのままです。

いい具合に口語体を交えた、

とても親しみやすくわかりやすい説明です。

この先も、さらに解説が続きます。

 

もちろん、化学的な解説だけでなく、

実践的な染め方や材料なども教えてくださいます。

 

超オススメ染色論です。連載で綴っていくので、

ぜひ続けてご購読ください~。

 

 

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