月刊アレコレ連載

「先天性天職」と「後天性天職」を考える

今日はちょっときものとは関係のない「案件」です(笑)。

月刊アレコレで連載しているコラムから。

 

2年前に、月刊アレコレの「アレコレ通信」のコラムで、

元芸人のキングコングの片割れ、西野亮廣のことを書きました

(すでに“元”と言っていいかと)。 

 

先日、FBで彼のことを取りあげた知人がいて、

自分が書いたコラムのことを思い出しました。

そのときから、すでに西野亮廣はすごい距離を

走破しているだなと、心底感心しちゃいました。

 

 

その2年前のコラムで言いたかったことは、

西野亮廣のことではなく

 

「先天性天職と後天性天職」についてです。

 

「先天性天職」と「後天性天職」は、

私が勝手に造語して使っている言葉なのですが…

(ネーミングで思考整理したがる

コピーライター気質←こちらが編集より本職です)

 

「天職」にはこの2種類があるというのが持論です。

で、西野を例に説明すると、

果たして彼はどちらになるのか…

ということを書いたのですが……。

 

元芸人の彼のその後の肩書は絵本作家……と、

思っていたら、ビジネス書もリリース(笑)。

 

先の絵本、「えんとつ町のパペル」は23万部売れています。

ネットで炎上発言が多く好感度低い芸人と言われた西野ですが、

ま、それはおいておいて。

 

美大を勧められるほど絵がうまかったという彼は

芸人を選んだわけです。

 

それなりにブレークし、正しい選択……と思いきや

安定へ到達する前に下火になった。

 

その頃から西野は小説を発表するなど、

創作に尋常じゃなくのめり込むようになったようです。

 

数年前、どうでもいいような真夜中の

お笑いバラエティ番組が彼を取材したとき

(また、なぜかこんなのをたまたま観ているワタシw)、

 

「ボクはウォルト・ディズニーになります!」と

マジ宣言していたのです。

 

取材者はニヤついていたけど、

つまり、こいつ、何言ってんの?的な。

お前はもうオワコンでしょ、を

前提とした取材だった気がします。

 

しかし、西野は意に介さなかった。

多分、その時の彼にしてみたら、

ちょっと仕事をもらってインタビューに来た

下っ端芸人などまったく視界になかったのだと思います。

 

そして、彼は結果を出した。

話題は売れただけでなく

「2,000円じゃ高くて買えない」という子どもの声で、

その絵本をネットで無料公開したのです。

 

「お金だけでしかモノを得られないのは不便じゃないか」

「23万部売れるより1億人に知ってもらうほうがいい」

 

言動をみてもブログを読んでも、

まあ、いちいち弁も筆も立つ(笑)。

 

同じ理由からかどうかはわからないけれど、

今秋出版したビジネス書「新世界」も無料公開しています。

 

彼はいくつ変化球を持っているのだろう、と思います。

しかし、変化球とは言ったけど、ストライクを獲るために、

同じマウンドから同じピッチャーが投げているのだから

決して追い風、カミカゼの、瞬間風速のみで獲った

ストライクではないことは確か。

 

彼はとても可動域が広い、そして肩肘が強い

ピッチャー「有言実行人」なのだと思うのです。

 

「有言実行人」という言い方をしたのは、

彼を言い表す肩書、職業が思い当たらなかったから。

安直に言えば「何とかクリエイター」「なんとかプロデューサー」、

「作家」もありかもしれない。

 

ところで、助走がかなり長くなりましたが(笑)、

彼をコラムで取り上げたのは、

その絵本がヒットした時点では、

 

【彼は元々、絵(創作)が天職だったのか、

それとも芸人が下火になることで絵という

“種火”を天職に育てたのか?】

 

という点が気になったからなのです。

天性の才能で得る「先天性天職」と、

経験値が種火になって得る「後天性天職」が

あると考える私としては、そこまで好きなワケじゃないけど(笑)

ちょっと西野が気になっている、とそのとき書きました。

 

でもそれ以降も、彼は広い可動域で

“絵”と“ビジネス(コンサル)”などの、

違う分野でもその才を発揮していて、

言えることは少なくとも芸人は彼にとって、

先天的にも、後天的にも、天職ではなかったのだなということです。

 

しかし、世間を視界の外において

「自分を疑わない」という思考

(彼の場合、気質というより思考のような気がします)は、

天性のものだと思います。

「疑わない自信」というのは、

「自分を信じ切る自信」の1段上を行くんですよね。

天性です。

 

そのコラムで言いたかったことは、

「天職」は出会おうと思えば出会えるということ、

育てられるということです。

 

某きものスタイリストさんがこのコラムを読んだときに、

「私は後天性天職だと思いました!」と報告してくれました。

 

時々、自分はどっちかなーと考えるのですが、

そもそも本当に「いま」が天職だと自信を持って

いい切れていないところが、弱っちい!(笑) 

 

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