きもの

17年目にして陽の目を見たレースのコート

今日は取材で「盛装」パーリーへ行ってきました。
正装ではなく盛装ということで、
フォーマルでもカジュアルでもいいのだけれど、
どちらにしてもちょっと大人らしい工夫が必要かな……

ということでの、今日のきもの。

タレものにしようと思いながら、取材で動くことも考えて、
着崩れしにくい紬にしました。

盛装オフ会.jpg

むか~しむかし、デザイナーズブランドなるものが、
めっちゃ流行った時代がありました。

いまでは、ちょっというのも恥ずかしい
ーヌという某ブランドのソレです(笑)。
紬の熨斗目訪問着に、ひなやさんの袋帯。
変化球で打ち取ろうとする…みたいな盛装です。(意味不明ww)
で、これからが今日の話題です。(前フリ長っww)
今号の月刊アレコレの特集が「薄羽織が旬!」
で、コートも含めた薄物の羽織りものがテーマです。

ということで、誂えてから17年目にして初めて着た
レースのコートの話です。

IMG_5419.JPG
その昔、染めから頼んで作ったコートなのに
仕上りの色がやたら地味になってしまい、
どうしても着る気にならないまま15
年。

(元色の画像がなくてすみませ~ん)
レース自体は好きなので、なんとか別なものに仕立て直せないかと、
博識でびっくりなアイデアできものを
再生してくれる呉服屋さんに相談しても、
「ま、その色が似合うようになるまで待つんだね」  

えーん( ;) 何かに変えたいのにー。
こうなると意地でもなんとかしたい。
が、結局いちばんオーソドックスな染め替えしかないということに。
はい、一度も着ないまま染め替え~ (T_T)

気仙沼たかはしきもの工房へ依頼しました。
満点スリップなど和装肌着の専門メーカーで知られるお店ですが、
大元の専門は京染屋さん。つまり悉皆屋さんです。

おしゃれじゃないじみ~なブルーグレー。
染め替えは抜染(色抜き)をしなければ
元の色より明るい色を染めることはできません。

そこまでコストをかけるのもなあと。
上から色掛けをしてもらいました。

色は女将にお任せしました。
染め替えは抜染がなければ、地域やお店によりますが、
20,000~30,000円くらいだと思います(ものにもよるので参考程度)
普通は「ドボン(染め)」という、
染液にドボンと浸ける浸け染めです。
このとき、シミやヤケがあるとその部分に色ムラができるので
注意が必要です。

そして上がってきたのはこの赤みにが立った臙脂。
(下の画像は光源の関係でかなり明るくなっています)

IMG_5416.JPG
これなら着られるかもー。
これが一昨年。

もともと羽織のほうが好きでコートを
着ることはあまりなかったのですが、
月刊アレコレの今号の特集が「薄羽織(とコート」。

取材した山村若静紀先生のコートが
素敵だなーと思っていたところに
(このブログの下の記事で美しい画像をアップしています)、
「盛装」がお題のパーリーですって!!??(笑)

苦節17年。やっと陽の目をみたレースのコートなのでした~。
で、もう一つ。
どうしても、どうしても着られない。
嫌いじゃないのにうまくコーディネートできないとか、
着るタイミングが来ない……
というきものや帯、ありますよね。
普通なら人に譲ったり、ヤフオクに出したりすると思います。
うちも別に豪邸ではありません。
むしろ、普通より狭いという絶対の自信があるほどのうさぎ小屋。
でも私の場合、撮影で使うことがあるので、
ほぼ処分することはありません。私物でも。
なのでモノは増える一方。
であれば、せめてなんとかしてワードローブに加えて、
減価償却したいと思うわけです。
そもそもが片付けられない部類(というか純血種ww)。
で、それまでどうしても着られなかったもの、
イマイチ評価が低かったものが、あるタイミングで
いきなり「王子様~」になることがあるのです(笑)。
その要素は、自分の年代だったり(カナシイけどw)、
人から似合うと言われた客観的視線だったり、
そのものが実はすごくいいものだよという、
ちょっとヤラシイ囁きだったり(笑)。
といういままでにない評価が外部からもたらされて、
いきなり地味な眼鏡女子が、眼鏡とって髪を解いたら
💗胸きゅんな女子に変身…みたいな、王子みたいな、
ま、少女漫画チックなパターンがあるわけです。ほんと。
このコートもそういうことだったと思います。
収納は、物欲と並行する悩みですよね。
何十年というスパンでモノを保管できるわけではありませんが、
でも、でも。きものは悩むものはとっておいたほうがいいですよ。
私ははっきり言って、近まりさんの断捨離はムリです(笑)。
周辺を身軽にしたくて本を読んだけど、
「魔法」にかからなかったその理由は、
あの本には人のエモーショナルが薄いなあと感じて。
結局はそれがモノが溢れる元凶なのだというのですが。。。。
私はムリ。。。でした。
ま、これはどうでもいい話ですが(笑)、
醜い蛙が、実は王子様だったという物語が、
きものは結構ありますよというオハナシです。
オシマイ    (笑)

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