“5-9きもの”ってナニ?な方へ。元祖は「ロッキューきもの」から
5月から9月まで着まわすきもの。
そう、単衣のシーズンも、薄物のシーズンも、
1枚のきもので通せたらうれしい。
もちろん、塩沢を単衣でパキっと着る気持ちよさ。
麻や絽の繊細な透け感の美しさは、それはそれで楽しみたいからあっていいのです。
そことは別アイテム、別ジャンルとして、なのです。
そもそも、その時の、ワタクシみやざの掲げた条件が、下記です。
- (自分で)洗えること。
- 大人が着るにふさわしいデザインであること(浴衣柄ではないこと)。
ゆかたをきものとして着る提案はかなり前からされていたけど、
正直、ゆかた柄をきものとしては大人は着たくないのでありますよ。
しかも、木綿は思った以上に、暑い!のです。
(木綿はしじら織り以外は夏は暑くて着られません>個人の感想です>通販番組風ww)
- 盛夏でも着られること(暑さに対応できること)。
- 透け感がおさえられていること
(透けすぎるとシーズンの始めや終わりに着にくい)。
そういう条件を挙げた結果、クリアできるのは、
ほぼ綿麻素材に絞られたのです。(麻は透け感があるので薄物シーズンで)
そのときの特集の月刊アレコレ掲載の画像です。

で、話はこの特集のあとです。
この「ロッキューきもの」のコンセプトを聞いた、
藤井絞の藤井氏が
「これ素晴らしいコンセプトやから、オリジナルで作りましょうよ」。
言ってみれば、着る人の意見を取り入れた商品作りです。
そして、せっかくなら、「新しい単衣」として、
トータルコーディネートをして発信しましょう。
そのためには、一社だけでなく、いろんなメーカーにも賛同いただき、
また、着る人の手元に届けるためのインフラも必要……
ということで、業界初の、
着る人と、売る人と、つくる人(きものメーカー、帯メーカー)が
一体となって作ったのが“5−9きもの”なんです。
え?? えっと…ちょっとまって、ロッキューきものじゃなかったの?
そうロッキューきものだったのですが、
いまや5月に袷は着ていられない。
むしろ5月から単衣だっていいじゃない、普段着なら、という
単衣の新セオリーも提案していくことになりました。
「この時期(5月)、やっぱり袷じゃないとまずいですか?」
「単衣じゃだめなんでしょうか」という、声がまた多かったのです。
新セオリー提案で、お悩みを解消。
「いいんだよ、普段着は。5月から単衣で(4月だって)」。
もちろん、「とっくに私は単衣よ」という上級者もいます。
でも初心者は心配なのです。わかるでしょ。
だから、時代としての提案を誰かが掲げることで、
それが安心材料になり、浸透していく、そこ大事です。
それでネーミングも、提案が伝わりやすいように、
“5−9きもの”となったのです。
さらにこの“5−9きもの”の画期的なことは、
「価格を統一」したことです。
これって、何が画期的なの?と思いますよね。
でも、家電でもそうですが、お店が価格競争をしていると、
どんどん「ヨド◯シ価格」とか「ビック◯メラ価格」になるわけです。
メーカーが価格を決めて、この価格で売って、と
いうことが通用しない流通がたくさんあるのです。
「他店より1円でも高かったらお知らせください!」みたいなポップ、
よく見ますよね。
きものもそうでした。
ところがきものの場合は安く……ではなく、
むしろ高値になることが多い。
だからよく言われるのは、「きものの値段て、何が基準なの?」
という不信感に繋がる声。
そうかと思えば、ネットでは、
相場からはありえない安値で出ていたり。
でも、価格設定すると売り手が嫌がる理由もあるっちゃ、あります。
地方の単線の小さな駅前の「ニューカトレア」(笑)なら
コーヒー1杯が380円でもいけるけど、
東京の一等地にあるディオールカフェとかなら
そういうわけにはいかない、というのも理解できることです。
でも、それにしても!です。
きものの値段は不信感を膨らませ過ぎちゃったんです。
だから、着る人のために、きものの信頼を取り戻すために
「いいよ、価格設定しても」という小売屋さんが
“5−9きもの”を取り扱ってくれるようになったんです。
つまり店でかかる経費にかかわらず同じ利益ということです。
東京の店も、地方の店も。
実店舗も、ネットショップも。 一律、です。
価格がしっかりわかっているから、
あとは欲しいと思えば、興味があれば、
気軽にお店をのぞけるわけです。
ガラガラ 「ごっきゅう、くださーい」 とはいわないまでも(≧∇≦)
(もちろん、価格だけでなく、そこのお店と商品とのマッチングもありますから、
取り扱いができないお店の理由は価格だけはありません)
その後、同じような路線で、あきらかに価格設定するメーカーや
ブランドが増えてきました。
で、“5−9きもの”は価格だけじゃなく、
どうせオリジナルを作るなら、白生地からこだわろうと!
そっからスタートしたんです(^_^;)
今から思うとすごいチームですわあ(笑)。
いまにして思ってもよくやりました。
このチームの素晴らしいところは、
試作し、自分たちで染めて、仕立てて、洗って、着てみるところです。
もちろん、自腹です。
ワタクシも自分が指定した色で染めて、その染めあがりを確認しました。
もちろん、試着もしました。
そのピーコックグリーンは好評で商品になりました。(^^)
とにかく、ほんとうに、そこは徹底して検証しました。
洗ってもハリがなくならないか、縮率はどのくらいか、
洗い方はどう案内するか、仕立てのスタンダードはどうするか等々。
こうして「大人が着られる綿麻きもの」、“5−9きもの”は
年を追うごとに完成度が上がっていきました。
1年目は、博多織変わり献上バニラが大ブレーク。
追加で織ったものも完売した、伝説の“5−9帯”です。
2年目は、下の「大格子コウさん」が大ブレーク。
速攻の完売でした。

このデザインがあっという間にあちこちでつくられるようになり、
その後、「ロッキューきもの」で最初に挙げた条件を満たす、
オリジナルの「洗える綿麻きもの」が俄然増えてきたと思います。
そして、いまや、ひとつのジャンルになっています。
で、今号の悶えるような、大人カワイイ綿麻アイテムは
上の記事でご覧くださいまし。
3月1日は“5−9きもの”解禁日!
全国の取扱店やネットショップで一斉にアップされます。
(の、はず……ですが、お店のスケジュールによります)
スタジオ アレコレでも3月1日~6日(5日はお休み)から
“5−9きもの”新作お披露目会×大西新之助商店新作展 を開催。
いち早く、現物を見ることができます!
現物は一部購入できるものもあります。
もしくは、現物を確認して、お好きなお店へGO.
現物を見ていれば、ネットショップで購入しても安心ですね。
編集人が、こんなきものがあればなあと思った、
そのきものが、いま“5−9きもの”というブランドになって、多くの人の支持を得ている。
これも小さいながら「月刊アレコレ」という小さな雑誌を
毎月積み重ねてきた成果のひとつだと思っています。
で、こっからは自慢です(笑)。
インディーズ雑誌ですが、アレコレで発信したことは、
かなり時代的な的を得ていること、多いと思います。
スキマ産業的な、きもの出版界のテレ東(笑)を自負しています。
「きものを仕事にしたい」と思う人たちを応援したいというのも、
月刊アレコレの考え方です。
というか、このご時世(笑)、きものを仕事にしたいという、
そういう人たちがこの世界に入ってきたら、
「業界」と「着る人」の乖離が是正できるんじゃない? とか、
きもの(店)が持たれる不信感が、払拭されていくんじゃない? とか。
きものを着たいと思っている人たちが、着たいと思ったらすぐに着られるような、
着やすいような、そんな環境が整っていうような気がするのです。
まあ、そんなことを編集人は35年、
きものに特化した仕事をしていて心底思うわけなのです。
だから、「プロのための講座」「自学自習塾」を開講しています。
ね、これがスキマ産業、テレ東言われる由来ですわ(笑)。
こんな独自目線を持つきものの本、月刊アレコレは書店では購入できません。
こちらから年間購読をどうぞ。ポチッと(笑)。
バックナンバーもご購入いただけます。
法人のお取り扱いも承っております。お問い合わせください。
前号vol.127「保存版 全国太物事典」も好評発売中。
こちらは売り切れ必至です。お早めに(^^)
月刊アレコレの考え方です。
というか、このご時世(笑)、きものを仕事にしたいという、
そういう人たちがこの世界に入ってきたら、
「業界」と「着る人」の乖離が是正できるんじゃない? とか、
きもの(店)が持たれる不信感が、払拭されていくんじゃない? とか。
きものを着たいと思っている人たちが、着たいと思ったらすぐに着られるような、
着やすいような、そんな環境が整っていうような気がするのです。
まあ、そんなことを編集人は35年、
きものに特化した仕事をしていて心底思うわけなのです。
だから、「プロのための講座」「自学自習塾」を開講しています。
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