きもの

今夏、浴衣(ゆかた)を選ぶなら。

 いまや、夏の定番となったゆかた。

そのゆかたをきものとして着るという提案も大分行き渡ったと思います。

実際『月刊アレコレ』でも、ゆかたをきもの風に着る提案には肯定的でした。

……でしたというと、過去形でいまは否定しているかのように聞こえますが、

そういうわけではありませんが、ちょっと細かな条件があって、ということです。

 

まず、「木綿100%」のゆかたをきもの風に着るなら、単衣の時季がオススメです。

ゆかた=夏=夏きもの という発想は、実際夏もきものを着ている身からすれば、ちょっと検証が必要かなあと思うのです。

 実際のハナシ、木綿100%のゆかたの下に(半)襦袢やら、衿やらをつけて着るのは、ほんとうに倒れそうなくらい暑い。特にたっぷり染料を含んで濃い色に染まった布は通気性が鈍い気がするのです。

夏は何を着ても暑いとは思いますが、それでも少しでも快適なほうがいいに決まっています。

だから、本当に夏でもきものを、気軽に着たいと思う人がいるのなら、

その暑い中でもより快適なきもの生活を楽しむためには、

盛夏に「木綿100%のゆかたをきもので着る」より、

 

「綿麻を選んでください」と、私は勧めます。

綿麻はいま大体のものは綿70%、麻30%が多いと思います。(実はこの7:3も、糸や織り方によって全然質が違ってくるのですが、こちらはまた話が複雑になるので、別な機会に)

30%でも麻が入っていると、ほんとうに涼しさが違います(と言ってももちろん冷えピタを貼るような涼しさとは違いますがw)。

そして洗える。この点は木綿も綿麻も同じです。

 

気に入りのゆかたできものとして着られそうな1枚があるなら、まず着て楽しんでほしいと思いますが、でも、これから購入する場合、

ゆかただけで着るのか。

きものとしても着たいのか。

そこを考えて選んでくださいね。

そしてきものとして着たいなら、やっぱり、うちわや大きな金魚の柄はやめておいたほうがいいと思いますww

 

綿麻で、柄を選べば『月刊アレコレ』が制作プロジェクトに参画している“5-9きもの”として、5月から9月まで着られるきものになります。

5-9きもの”はそういう、着る側としてのアレコレ的発想と、発信が元になって作られたきものです。

5-9きもの”を購入していただくのが1番うれしいけどww

でも根本は、そういう着る側の目線をかたちにしたということです。

ゆえに、ゆかた・きもの、両用で着たいなら、木綿100%ではなく、綿麻がお勧めですという結論。

 

あ、もう一つ重要なことを。

 

洗って着ることを前提にしているので、買ったお店ではそれが反物でお仕立てなら、必ず水通しをしてもらってください。そこで先に縮ませてしまうのです。

ちゃんとしたお店ならきちんとおしえてくれます。

 

プレタなら、ちゃんと縮率を聞いたほうがいいですね。

「んーー、そこまでは……縮まないとは……思いますがぁ」というお店ならちょっと考えたほうがいいです。

ついでだから言うと、“5-9きもの”って、その縮率も検証して、白生地から製作して、実際にメンバーが作って着て、洗って検証をしているんですよ。

そして、ゆかたをきものとしてではなく、あくまできもの。

でもゆかたとしても着られますよというアイテムです。


こんな考え方で『月刊アレコレ』を作っています。

書店では取り扱っておりません。ご購読はこちらから


 

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