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「たのもう!お誂えお直し入門」大野屋總本店で足袋(2)

さて、下の取材の続きです。
(3)見本が送られてきて試し履き。きつい、ゆるい等の調整 
そして後日、見本の1足が送られてきます。
それを履いて、洗って、また履いて、その具合を大野屋さんに連絡します。
これでOKとか、どこがきついとか、ゆるいとか。
大野屋誂え足袋■みやざ的検証
左足が送られてきた見本の足袋。
右足は比較的履いていて楽だと思っていた手持ちの足袋です。
比べて気付いたのは、楽だけど右の親指が先っぽ、ちょっとずんぐり太くみえませんか。で、さらに、親指と第二指の間がくっつかないというのも初めて知った!(笑)
■「新富形」
左足の大野屋總本店のものは右足に比べてキレイな「チョキ足」(笑)で、足姿も繊細な感じがしませんか。
元々役者さんや日本舞踊家、舞台で見られる人たちのために作ってきた足袋は「足元がキレイに見える」が身上。結構キュッとした作りで、洗ったあとに履くときはキツい感じがします。
しかし一緒に誂えたスタイリストの彩詠さんも同じ感想なのですが、履いて少し時間が経つと足に馴染んで洗い立てを履いたときより楽になり、フィットした履き心地になります。
もちろん、誂えなのでゆったり目に作ってもらうことも可能ですが、創業200年の、名だたる役者たちから支持を受けてきた老舗ならではの美意識は大事に受け継がれています。
■コハゼの話
コハゼは普通は4枚、日舞などをする方は5枚の方も。
茶道など正座をする機会が多い方はコハゼは少ない方が楽だそうです。
よく5枚コハゼは足がきれいに見えるといいます。
しかしご主人の福島さん言うには、足のサイズとのバランスなのだそうです。
サイズ、つまり丈がある人はタテヨコのバランスでいうとヨコの分量が多くなるので、見た目にも大きく見える。
でも5枚コハゼでタテの分量が増えるとバランスよく見えて、丈の長さが気にならないといいます。
さらには底と側との縫込みの位置も見た目に関係有り。
下目に縫いこむと底が小さめになって正座したときや舞台で見えたときに足が小さく見えるそう。
またネル裏だと足のかたちがキレイに見えるそうです。
綿を入れて仕上げた縮緬細工って、ふっくら可愛いじゃないですか(笑)。ま、そんな感じだということです。
でもサイズが大きい人はさらに大きく見えるので、ここは注意するところですね(笑)。
■誂え足袋特有のギャザー(ダーツ)
で、みやざは見本を試し履きしてみて、いちばん下のコハゼをかけるときに少々きつかったので、掛け糸の位置をもう少し手前にずらしてもらうよう頼みました。
注意したいのは、あらためて見るとシワのような「ギャザー(ダーツ)」に目がいくことがあります。
これは足の形に沿った曲線を、ギャザーを寄せながら縫っていくので、ある程度はできるものです。
この製作過程を知った上で、どの程度が許容となるのか、ということになります。誂えるほうも知識として知っておいたほうがいいと思います。
大野屋完成足袋 (4)調整を反映して仕立て 完成
そして約2週間後(依頼してから約1ヶ月)、
ジャカジャーン。誂え足袋の完成です! パチパチパチ
店主・福島康雄さんはお客に合わせて、とてもわかりやすくちゃんと説明をしてくださるので、まったく初めての人でも安心して何でも伺えます。
ご主人が留守のときはご主人そっくりの息子さんが、対応もそっくり同じように(笑)してくださいます。足袋は大野屋總本店でございます。
■お店データ
大野屋總本店/東京都中央区新富2-2-1 電話/03-3551-0896
営業時間/9:00~17:30 毎週土日祝日休み
アクセス/地下鉄有楽町線新富町町駅徒歩5分・日比谷線築地駅徒歩8分
■商品データ(すべて税別)
誂え足袋/¥18,500(5足 白・キャラコ・4枚コハゼ)
     ※1足¥3,700で誂えは5足から 色足袋は1足¥3,900
      白足袋と色足袋を混ぜて5足~もOK コハゼが1枚増えると1足プラス¥200 
     ※事前に電話が望ましいとのこと。
納期/約1ヶ月 (採寸→約2週間後見本足袋送付→試し履きの連絡がきてから
   約2週間で完成)
その他/既成の白足袋 0.5センチきざみで幅4種類 1足¥3,000
    店主・福島康雄さんがデザインする干支のタオルは新年のご挨拶に。

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