きもの小物

3枚コハゼの足袋――何ゆえ?

足袋コハゼ3本日、「たのもう!お誂えお直し入門」の下取材として足袋の大野屋総本店さんへ行ってきました。
創業200年になる老舗の足袋屋さん。6代目のご主人・福島さんにお話を伺ってきました。
あ、でもこちらの記事は翌々月11/25発行号掲載です。
納品までの期間や段取り、料金など詳しくは本誌で紹介しますね。
その前に一言。大野屋さんと言うと、歌舞伎座前の大野屋さんと混同する方がいらっしゃるかもしれませんが、「足袋で老舗の大野屋」というと、役者さんや芸妓さんにご贔屓が多いこちら新富町の大野屋さんです。
銀座大野屋さんは足袋も扱っていますが多分手拭いの方が人気だと思います。
で、画像。話の中でご主人が見せてくださった3枚コハゼの足袋。
もちろん誂えですが、さてこの3枚コハゼの足袋を履く方は誰でしょう?
答えは靖国神社の神官の方。正座をしている時間が長い方はコハゼが少ないほうが楽だということです。
踊りをする方は足がきれいに見える5枚コハゼが多いとのこと。だから茶道をする方や正座が長い方は5枚コハゼにしないそうです。
因みに靖国神社の神官の方のこの足袋、厳密には足袋じゃないかも……。
というのは、つま先がチョキに、つまりVになってないんです。
普通の靴下みたいに丸いんです。草履を履くことがないから、ということでした。サンダル?つっかけ?みたいな履物が多いそうです。
シラナンダ~~。
さて、5枚コハゼは足がきれいに見えるといいますが、実はそれは足の大きさとのバランスもあるとご主人はおっしゃっていました。
サイズが大きい人は5枚コハゼの方がタテヨコのバランスで、足がきれいに(小さく)見えるのだそうです。
そんなこんなを伺って、来週、誂えに「たのもう~~」でございます。
サービスでコハゼに名入れをしてくれます。ちょっと憧れ~~(笑)。
みやざが頼む場合は、やっぱみやざ?か、いやいや、ちょっと芸妓ちっくに、みや吉? みや丸?(爆)
ところでなぜ芸者は男名が多いのか。
 またまた始まり、みやざの蛇足、寄り道講座(笑)。
かつて女郎と言えば「身売り」、人身売買です。実はあれでいて当時は人身売買は刑に処せられるご法度。
だから「奉公」を名目にしたり、色町へ売ることをカモフラージュするために証文に男名を使った名残りだと言われています。
足袋からここまでハナシが寄り道るみやざブログでございます(笑)。

カテゴリー

タグ一覧