取材

仕立 直やさんへインタビュー、地直しのハナシ。

地直し月刊アレコレで連載している「仕立直やの向島便り」、
仕立てや着物のアレコレを直子さんに伺って紹介しております。
さて。――仕立てをする前に施される準備というか、作業があります。
湯通し → 反物についてる糊などを落とすために水を通す作業。大体は店頭に並べられる前に行われています。特に紬は多くの糊成分が含まれているのできちんと落とさないとカビの原因になります。
湯のし → 反物に蒸気をあてて仮仕立ての筋を消したり、反物の幅をそろえたりするときに行われる作業です。
で、この反物の幅。反物の幅って普通約36センチ。
でも、生地の幅、というか耳を見てもらうと分りますが、意外に真っ直ぐじゃないんです。不良品ってんじゃねーんですよ、ダンナ(笑)、ちょっと波打ってたりするでしょ? ソレを整えるわけです。
んで、それとちょっと関係あるのが「地直し(じのし)」。
ハンカチにアイロンかけてても、ちょっとひっっぱったりしないと、きちんと正方形にならないことって、あるでしょ?それって、仕立てが地の目に添ってないということなんですね。
地の目がまっすぐじゃないと仕立てにも影響がでるわけです。
昨日もそんな話をいろいろ聞いたのですが、たまたま直子さんが頼まれていた男物のゆかたがありました。
染めの段階で地の目にあっていないと、こういう格子柄って影響がでちゃうんですね。
格子がちょっとカーブしてるでしょ(笑)、地直しをして地の目を整えたらこうなったわけです。柄に平行に断ち切ると、身頃の地の目が実は斜めっている状態になるわけです。
直子さんは依頼先に確認して、地の目を優先させました。
でも柄物などは一概に地の目優先とはいかないそうです。
だって、刺繍や紋がゆがんだら困るじゃないですか。
「丸がハートになっちゃうんです」、なるほどねー。
着物に限らないですが、何でも下準備が大事なんですね。
ん? アコムみたいなオチになっちゃいました(笑)。

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