木綿・上布(麻)・芭蕉布等々、最新号は「保存版 全国太物事典」
月刊アレコレvol.127 入稿完了。校正を経て下版です。
さて、発行前に今号の告知をば。
先に言っておくと、月刊アレコレの発行告知のはずが、
またまた太物のお話になってしまうという……病気です(^_^;)
で。こちら。
「保存版 全国の太物事典」
知って、着て、残したい
木綿・麻などの太物の産地や種類を紹介

カジュアルなきものを楽しみたい人にとって、
太物はなくてはならないマストアイテム。
もちろん、絹素材はみんな大好きだけど、
絹物の代替で太物を着ているわけではないのです。
ベクトルが違うのです。
きもの生活の半径を広げてくれるのが、太物。
この保存版・太物事典で、新しい布と出会ってください。
で、その「着る」に絡んで、ここからちょっとマジメなお話です。
かつては絹物を扱う呉服屋とは別に、
太物を扱う店、太物屋がありました。
絹物と比べて、糸が太いことから、巻きも太くなったので
木綿、麻、昨今であればウールも入ると思いますが――太物と呼ばれます。
カジュアルきものが人気になってから、
それら太物の認知度は上がってきています。
しかし、残念なことにそれ以前の、
きもの離れとフォーマル全盛時代の空白期間が、
太物産地を徹底的に細らせました。
まずは全国の産地を知り、種類を知り、
機会があれば手に取り、着てみてほしい。
そんな思いで、太物全国mapを作成、最新と思われる情報を一元化しました。
全国の木綿、麻、上布、芭蕉布、科布、藤布等々。
57種類31点の写真で紹介しています。
藤布(帯)

このMAPでわかること。
- 太物が作られている全国の産地とその位置、種類
- 織物としての特徴、解説
- 参考入手難易度(公の統計ではありません)
かつて、ない! 太物MAP、太物情報だと思います。
特に、「参考入手難易度」が目玉です。
ところで、「入手難易度」は何をもって判断するか―
木綿の取扱いが多いことで知られる、監修の「染織 こだま」の児玉氏に、
現在の仕入れ状況や産地とのやり取り、各種情報など、
現場での感触で判断していただきました。
アナタ個人の難易度ではありませんよ(笑)。
個人の難易度のいちばんは価格だと思います。
でも、身も蓋もない言い方になりますが、
潤沢な予算さえあれば購入できるものは、
難易度が高いところにありません。
例えば、芭蕉布↓ 着尺だと何百万もします。


実際手間もかかるので生産数も少ないですが
(その希少性ゆえ高価なのですが)、
きちんと流通に乗っているので、
買おうと思えばデパート、高級呉服専門店で購入できます。
(何件か訪ねたり、好みがあったりは別にして)
数が少なくても、実際買える人も少ないので、
需要と供給バランスとしては、
完璧ではないかもしれませんが、成立しているはずです。
なので、3段階に分けると、芭蕉布は入手難易度は低いほうになります。
つまり入手しようと思えば、ほぼ100%入手できるからです。
難易度は、
《ある程度確実な年間生産数+流通システムの成立》
で判断することになります。
能登上布や銚子縮などは、現在、織元が1社です。

ですが、会社としてきちんと供給できるシステムが確立されていれば、
稼働している現段階では難易度が、低いか、中くらいです。
しかし、後継者がいなくなったり、極端に需要が落ち込んだりすると、
廃業に追い込まれる可能性はあります。
織元が1社というのは、そういう危うさがあります。
本来は、織物が地場産業として地域を支えるくらいになって、
はじめて「産地」といえると思うのです。
正しい意味での産地は、現在、愛知の有松・鳴海絞や、
福岡の久留米絣、山形米沢の米織、徳島の阿波しじらなどでしょうか。

だからといって、技術を「残す」ためだけに、
着る人に一方的に何かを託すのは、違うと思うのです。
まずは知ってもらい、興味を持ってもらうことが第一歩です。
そして、そこに「自分なりの価値」と
着るものとしての「おもしろさ」「たのしさ」を
見つけられる商品であることが大切です。
……の、ためには、きもの屋さんたちにも当然、知ってほしい!
(これの特集はきものの関係者にも絶対、
見て、読んで、識ってほしいのです)ここは ☓知る ◯識る で。
私もウール、麻、そして木綿は、
川越唐桟、阿波しじら、久留米絣、会津木綿、
三河木綿、保多織、備後絣と、得体のしれない木綿も(笑)、
多いかどうかわかりませんが、まあまあ着ています。

それでもデータを取りまとめていて、
初めて聞く織物もたくさんありました。
どこかで出会うかもしれない、そのときに、
◯◯木綿、◯◯織り、◯◯縞です、とか言われたときに、
「あっ!アレは、これか!?」と言えたらたのしみ倍増(笑)。
今回の特集は、5月28日に宮崎県で開催される
「第1回太物サミット」と連携を組んだ特集です。
太物産地が薄くなり、ほんとうに擦り切れて
私たちが着られなくなることがないように。
こちらへもお出かけください!
編集人もシメキリンを早めにやっつけて(笑)行く!予定。
返り討ちに遭わないよう、祈ってください(笑)。
こんな編集人が作っている月刊アレコレは
書店では購入できません。
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