お太鼓・帯ベルト・アレンジが1本で完結!ーコンポーネント帯の提案

『月刊アレコレ』Vol.230発行になりました。

特集 コンポーネント帯の提案

  「お太鼓・帯ベルト・アレンジ帯」が1本で完結!

使わない帯がヘビロテ帯になる

昭和の知恵をヒントにパーツで帯を再構成

今月の特集は「コンポーネント帯」!

■というか、コンポーネント帯?? とは?? なんぞや?

……ですよね。はい、コンポーネント帯、略してコンポ帯は

『月刊アレコレ』の提案する帯でありネーミング。

パーツがぞれぞれ独立していて、組み合わせで

お太鼓、帯ベルト、フリルなどのアレンジ帯が

できるコンポーネント式の帯、略してコンポ帯です。

これは超シンプルで背丈や好みでお太鼓の大きさの調整も簡単。

これを考えたきっかけが、戦前の作り帯でした。

「帯をどうにかしたい」という考えは明治時代からあり、

大正時代には丸帯をどうにかしたいという工夫から

名古屋帯、袋帯、さらには二部式帯、作り帯が考案されています。

でも、それなりに特許や実用新案をとる関係で(? 笑)

簡単帯なんですが、作り方は複雑、

なんだったら、使い方もそこまでシンプルじゃなかったりします。

実は編集人の私自身も20年以上前に結構いい帯を

二部式の作り帯にしました。

それは古いものではなく、バリバリ現役のお気に入り。

……を、なぜ切って? と思いますよね。

正直迷いはありましたが、一番の理由は

その帯が夏帯であったことと、

自分のお気に入りだったからこそ、

出かける前に汗だくで帯をしめるという動作を

省きたかった、楽ちんにしたかったのです。

ヘビロテ帯だからこその、作り帯という選択でした。

割と自由度の利く作りにしてもらったつもりでしたが、

それでも帯枕を付けたタイプでした。

いまにして思うとその帯枕も

紐の細い、いまだったらダメダメな帯枕。

結局、その帯枕は外して普段使っている帯枕を

締めるときに入れる方式で使っていました。

■そして時は流れて…………

(どんだけ流れたかは内緒です(笑) )

大人の兵児帯が出てきて、帯ベルトが出てきて、

結ばない帯結びというのが提案されて……など、

帯結びのハードルを下げる工夫がなされてきました。

そのときに、戦前の作り帯に出会ったのです。

出会った……というか、私の歴史ものコレクション(笑)の

なかの1つとして大分前からあったのですが、

そのときもシンプルだなと思いましたが、

まだ自分のなかではよくある「二部式帯」の中の

1つでしかありませんでした。

……が、ふと、思ったのです。

お太鼓部分は、ほんとうにペランとした長方形の1枚。

そして胴に巻く部分も長い1本の帯で、

紐も何もなし。このシンプルさこそが便利じゃない!?と

開眼したわけです(笑)。

■帯ベルト、巻くだけの帯、という選択がある現代だからこそーー

これは価値のある二部式帯じゃないか?と。

そこで、そういえば! 漆の帯がある!ことを思い出しました。

漆の帯は昭和に流行った帯地に漆をかけたもので、

漆特有のテカテカ感があり、それが皮革っぽいのです。

ただ、しゃれ袋帯なので、普段に締めるには不便でした。

かといって、フォーマル、セミフォーマルという帯でもなく。

結局、得意の資料として保管……というパターンになっていました。

■これを帯ベルトにしたらカッコよくない?

このテカテカ感。ということで、私はいうだけ番長で自分では作れないので(笑)、

洋裁経験があり、和裁もある程度できる

お友達の凛kimono塾の着付け師で着付け講師の上条さんに依頼。

最初にお願いしたのはお試しの博多帯。

好きな帯ですが、昔のものなので帯幅が狭く、

幅出しが結構大変だったのです。

出来上がってきたら、これが!いいじゃないですか!

これなら!と、もう1本の博多帯と漆の

しゃれ袋帯の加工をお願いしました。

名古屋帯は2パーツ。

しゃれ袋帯は3パーツ。

漆のしゃれ袋帯を加工していただいたときに、

その上条さんが、「パーツの取り方で、アレンジができますね」と

提案してくださったことで、お太鼓、帯ベルト、そしてアレンジ版と、

3パターンができるようになったのです。

とにかく、とにかく、本誌でこのコンポ帯をみてください。

そして作ってみてください。

■帯を切ることを推奨するものではありません。

これは特集のなかでも言っていますが、

帯を切ることを推奨しているわけではありません。

きもの、そして帯を切ることは、きもの好きな人にとって

大変抵抗があると思います。

もちろん、編集部も同じです。

しかし、柄の位置が間違っている(またにあるのです)、

短い、好みや締めにくさなどの問題点があり

何年も使っていない帯でも、現代風なアレンジや洋服ミックスで

帯ベルト風にするといきなり一軍に

上がる帯があることを発見したのです。

これ、ほんとです!

この例も本誌で紹介しています。

そのままの名古屋帯ではなかなか使いにくい帯が、

帯ベルトーーという役割を与えると

俄然、使える。輝く。一軍に上がるのです。

本特集で、きものを着たいけど、

特に帯結びのハードルが高くて……と、

なかなかきものを実践できない水引作家さんを

モニターモデルとしてお願いしました。もう歓喜でした(笑)。

「これならできそ〜〜〜」「しかもおしゃれ〜〜」と、

その撮影現場で早速、漆の帯をポチッとして、

うちにミシンがないからと加工を依頼。

それに合いそうなデニムきものも注文。

加工してくださった上条さんも

「これだと帯が復活します」と自分でも2本、コンポ帯に加工。

本誌を発行する前に、3人で6本の

コンポーネント帯をつくりました(笑)。

作り方も超簡単。

このままでは使えない。でも処分できない。

もしくは使いたいけど、長さや幅や柄位置など

もろもろ問題があって手が伸びにくい帯など。

キラッキラに復活しますよー。

とにかく本誌、みてください!

あと、人気のコーナー「推しモノ」のなかで、

このコンポ帯にぴったりの帯締代わりの

ベルトの紹介もしています。

これだけでも、『月刊アレコレ』ならではの情報。

皆さんの、日常のきもの生活に お役に立つ『月刊アレコレ』です。

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