月刊アレコレ

月刊アレコレVol.191 「矢の字」と「貝の口」のキュートな逆襲!

『月刊アレコレ』Vol.191発行しました。

 

ニッチなテーマが多い『月刊アレコレ』ですが、

今号はさらにニッチな、そのタイトルも

 

「矢の字と貝の口のキュートな逆襲」

 

 

きものの本でどーなんだという

ゲームソフトみたいな特集です(笑)。

 

暑くなると半幅帯の出番が多くなると思います。

 

前号も、ゆかた特集に絡んで、山本かおる先生のオリジナルの

半幅帯結びを2種紹介しました。

 

そして今月、引き続きの半幅帯、

しかも古典的な「矢の字」と「貝の口」。

 

なぜ?

 

それはですね、編集人の趣味と独断です……

というのは半分、冗談で、半分、ほんとうです(笑)。

 

いまや半幅帯は変わり結びが全盛。

主にリボン系でフワフワ立体的なカワイイ結びが多い。

 

でも、これ、苦手ってヒトもいますよね。

ワタシみたいに。

 

え?? いままでさんざん変わり結びの特集を

していたクセに!?(゜o゜;  

 

いえ、これはこれで、控えめにやることもあります(笑)。

 

月刊アレコレはいまをとりこんだ、多様なスタイルや

提案、情報をお届けすることを使命だと思っています。

 

なので、ファッション雑誌のように、

特定のジャンル、特定のスタイルと

いうような絞り方はしていません。

30~60代の方が読んでもタメになる情報を

念頭においています。

 

なにやら別な言い訳していますが(笑)、

 

つまり、ですね、

リボン系が苦手な人もいる、今回はそういう人のための、

(しかしそうじゃない人にも役立つ!)特集なのです。

 

古典的な結び方の新しい提案をしたい!

ということです。(とりあえず一件落着??ww)

 

 

相変わらず前置きが長いです(笑)。

で、今度は「半幅帯が長い」というハナシです(笑)。

 

 

さて、まず「矢の字」。

古い時代劇でみる帯結びは矢の字が多いですね。

明らかに普段着仕様です。

 

いまでも、矢の字と貝の口はおしゃれというより、

“かんたん”“気軽”なイメージです。

 

 

しかし、先に述べているように、

いまや変わり結びが全盛。

かつてに比べると帯の尺がずいぶん長くなってきています。

 

具体的にいうと、

平成半ばくらいまでは半幅帯は3.6mくらいでした。

戦前、戦後すぐの半幅帯は約3.4mとかそれ以下でした。

 

だから“かんたん”だったのです。

余分がないから“処理”することがないのです。

 

しかし、現代は体格が良くなってきていることもありますが、

何より、半幅帯が同じ普段着でも、やや格上げされたポジションになり、

木綿はもちろん、おしゃれ着、街着としての

紬や小紋にも普通に締められるようになりました。

 

そうなると、やはり、おしゃれにしたい―ーとなります。

因みに、ボリュームが出ると「はなやか=おしゃれ」というイメージ。

「ぺたんこ≒地味≒ものたりない」という印象になり、

どんどん、カワイイ結び方が提案されるようになりました。

 

それに合わせて、製造する側も尺を長くするように。

それが、3.6m→3.8m→4.0m→4.2m

そしていまや4.4mもある西陣帯(田中伝)も。

アレンジを楽しむ人にははうれしいですよね。^_^

 

 

しかし、4m以上になった時点で、

矢の字や貝の口はかんたんとは言えない結び方になってきたのです。

 

特に貝の口。

2巻き目にタレとなる方を内側に折り返して結びます。

 

折返しが右腰を少し越したくらいならいいのですが、

これが4mあると左腰あたりまで返ります。

 

こうなると、もう2巻き目の意味がありません(笑)。

あっちゃこっちゃしているうちにユルユルになります。

矢の字でいえば、タレ側がぐんと長くなります。

 

なので、基本、矢の字や貝の口は4m以下の

半幅帯がオススメですが、長い場合の対応も

ちゃんと説明しています。

 

そして、そして、ここからが本題(やっとww)。

 

ちょっと地味なら、ちょい盛りすればいいんじゃない?

ということです。

 

しかし、元がリボン系苦手な人たちだから、

盛り盛りもまた苦手だと思います(多分)。

 

しかし、ちょい盛りなら、どーよ、ってことです(笑)。

ちょい盛りの中身も、

  • 帯の素材を見直す
  • 長い帯はその長さを利用する
  • 帯飾りを後ろに使う(ここが月刊アレコレのワンアイデア!)

 

それが、これ。

 

ひとつの見本です。これなら、よくないですか~~~(歓喜)。

タッセルは好みで小ぶりでも、2本でも。

帯留だけでも、ほどほどに、 “超どよく”カワイイ!

この、「ほどほど≠ブリブリ」で

“ちょうどよくカワイイ”=“超ちょうどよく” が大事なのです(笑)。

リボン系苦手な人にとっては。(代弁ww)

 

盛り盛り苦手な皆さんでも取り入れやすいコツは

  • 帯と同系色の小物をつかうと大人っぽくまとまります。
  • 左右どちらでもOKですが、片面が無地なら無地のほうが生きます

 

↓こちらは左の場合

 

また、もうひとつ!

 

どんななに長い帯でも一発で決まる

貝の口の秘技寸法の出し方を

お教えします。保存版!です。

 

かんたんなはずの貝の口を

そこまでして? と思うかもしれませんが、

かんたんという要素より、

リボンが苦手、ぺたんこのほうがいいという人が、

素材を選んでふっくらしたかたちに仕上げることができます。

 

 

しかも、一度、その帯の秘技寸法がわかれば、

あとはそこをチェックしておけばOK.

 

さあ、半幅帯をもっと楽しむために。

「矢の字と貝の口のキュートな逆襲」

ぜひ、逆襲を受けてください(笑)。

 

 

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