月刊アレコレ

『改元前後』兼築信行ー和文化イロハカルタ 和歌

今号の月刊アレコレ「和文化イロハカルタ」の

テーマは「和歌」です。

 

ご紹介くださっている先生は、

和歌の研究者である、

早稲田大学文学部学術院教授・兼築信行先生。

先生はこの度、ご自身の歌集を出版なさいました。

 

「歌」はまったくの門外漢なので

あまり大層なことは言えるものではありません。

「きもの」の敷居が高いと感じる人の気持が、

多少なりともわかる気がします(笑)。

 

しかし、この歌集を読むと、

「歌」は、単に文化や教養を背景としたものではなく、

暮らしであり、生き方であり、

心の丈であることがストンと落ちてきます。

 

そして、和歌の研究者が歌集を出すー―

一見、なんの不思議もないように思うのですが、

研究者と歌人はまったく別なジャンルなのです。

本の帯の推薦文は俵万智さん。

俵万智さんもこう書かれています。

 

「歌の神様は、時に粋なことをなさる。

古典和歌の研究者に、ひょいとサーフボードを

与えるように実作を促した。

人生のもっとも大きな波を乗りこなした結果が、この歌集だ。

自在さと多彩さに目を瞠りつつ、胸が熱くなる」

 

兼築先生が「歌の神様に実作を促された」きっかけは、

お母様の介護と、看取り。

以前から歌を詠まれる方ではありましたが、

日々の交錯する思いと気持ちが溢れるように

言葉になり、歌になったのだと感じさせる歌集です。

 

歌に素人のワタシが読んでも伝わる「歌」。

介護……誰もが通る道だから、

なおのこと、俵万智さんの言葉通り、

「胸が熱くなる」ものがあります。

『月刊アレコレ』本誌とともに、

ぜひこちらの歌集もお手にとってみてください。

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