#着物コーディネートリレー 編集人コーディネート、一挙紹介
#StayHome で、#着物コーディネートリレー が
TwitterとFacebook、両方で回ってきました。
発信元は違うようですが、
自分のコーディネートを紹介して
次の人を指名してバトンを渡すというやり方です。
さらには、KICCA(きものカラーコーディネーター協会)の
コーディネートリレーも開催中(笑)。
締切り中、コーディネートリレー負債が
(ということではありませんねww)
3つ溜まってしまいました(笑)。
この時点で、リレーでいうとバトンを落とすという
状況になっているような(笑)。
入稿後に一気にバトンを渡しました。
ということで、今回は僭越ながら、
編集人のコーディネートと、その説明をちょっとばかり。
月刊アレコレのコーディネートは
多くのかたに楽しんでいただけるような
内容・方向で紹介していますので、
こちらで紹介した私のコーディネートが
イコール月刊アレコレコーディネートと
いうわけではありませんが、
根底はしっかり月刊アレコレテイストが
入っていると思います。
それぞれ、ご指名いただいた方に因んだきものを
紹介させていただきました。
まずは月刊アレコレでイラストエッセイ「きものの引きだし」を
創刊号から連載してくださっている
きくちいまさんからのご指名で紹介したコーディネートがこちら。
いまさんつながりで、いまさんの独立20周年記念パーティで、
ご挨拶をさせていただいたときのきものです。
お祝いと感謝の気持ちを込めて、背に、月刊アレコレのロゴマーク、
筆紋の繍紋が入った色無地です。
光源が違うので↓下の写真とかなりきものの色が違いますが、
鶴の地紋の白生地から染めた紫の色無地です。
クラシックな鶴の文様ですが、紋織の立体的な効果で、
逆にいまならではの変化球なモダンさがあるきものです。
紫根染めの帯を合わせて同系色でまとめています。
この場合は「無難」な同系色ではなく、「モダン」な同系色使い。
アイテムそれぞれは王道なのに、現代的な雰囲気になります。
黒に銀糸が入った唐組の帯締でシャープさを。
同じきものに、こちらは久呂田明功さんの
フリージアの染名古屋を合わせて。
(着ている本人を見ないでww)きものだけ見ると
エレガントなコーディネートですが、
平面的なので、「立体感」を出したくて、
グリーンの帯締を、突き刺すように合わせました。
この帯締、普通で見る平組より太いと気づきましたか?
実はこれは昭和に振袖でよく使われていたタイプ。
いまは金属糸やアクセサリーのパーツまで
組み込まれた丸組タイプが多いですね。
昭和の帯締、意外に使えます。もし古着屋さんなどで見つけたら、
GETしておくといいですよ。価格も二束三文です(笑)。
あ、丸組じゃなく、平組がオススメです。
次は↓結城紬に藤井絞の九寸名古屋。
なぜ、これを挙げたかというと、
先の別注で染めた色無地をお願いした仕立て屋さんで、
仕立直しをしてもらったものだから。
直接的にはいまさんとは関係ないのですが、
パーティの日にいまさんが着ていた訪問着も
同じ仕立て屋さんだったということもあります。
この結城紬は腰に接ぎを入れて
仕立て直してもらったものです。
胴抜きといって、八卦けだけつけて、
胴裏をつけない、なんちゃって袷です。
暑がりの人や、軽く着たいと言う人が頼みます。
私は寒がりですが(笑)、これは袷の入り口に着るものとして仕立てました。
洗い張りをした結城紬は、角がとれて、
もうテロテロにやわらかくて、とても着心地は最高です。
紬は絶対、1度は洗い張りすることをお勧めします。
藤井絞の帯は、実は夏物として購入しました。
しかし、薄物とはちょっと違うので、
素材感をみて自己判断で通年使っています。
定番の絽や麻、羅は完全に夏仕様ですが、
それ以外の生地では、たまにこういうファジーな
素材感のものがあります。
あとは柄に特定の季節感がなければOKです。
これはちょっと応用には難しいかもしれませんが、
呉服屋さんでも迷いながら決めているものって、あるのです。
(知らないのではなく)
帯締はめずらしい二分半紐。二分紐と三分紐の間のものです。
次のバトンは、蒲田ひつじやさんの若女将から。
ということで、こちらで誂えたきものを紹介しました。
↓明石縮。薄物ですが、色目もあって、
透け感が抑えられるので、6月〜9月まで着られる
とても重宝なきものです。
こちらのお店はとにかく在庫が多く、
催事中はあるけど、普段はものが揃っていない…
ということがありません。
いつでも充分な種類と量を取り揃えていて、
価格設定もとてもリーズナブルです(リサイクルは扱っていません)。
帯は麻の葡萄柄の染帯。
3人目のバトンは、気仙沼たかはしきもの工房の女将、髙橋和江さんから。
たかはしきもの工房つながりのきものは、
染め替えと洗い張り・仕立直しをお願いしたきもの。
1つ目は、↓焦げ茶の紬。
これは20代に誂えた黄土色のものでした。
年がいき(笑)顔に映えなくなったので、染め替えをお願いしました。
あ、染め替えというと、普通、染め物、柔らかものを
イメージですると思います。
確かにそちらが一般的ではありますが、
織物もできないわけではありません。
ただ、後染めに比べて、糸の段階で染めている
先染め、つまり織物のほうが、比較すればですが、
染まりにくいというのはあります。
こういう場合は特に、後染め以上に地色を考慮して
染め色を指定します。もしくは決めてもらいます。
これはまた別な機会に投稿したいと思いますが、
「染め替え」は万能ではありません。
1つだけ、地色を考慮しないで染められる方法は、
抜染といって、元の色を抜いてから染めると、
比較的希望の色が出やすくなります。
で、これは元が黄土色なので、同じ茶系で問題ありません。
このとき、八掛も取り替えました。
八掛は天地をひっくり返して使うことができますが、
染め替えをしたので、八掛けも変えました。
見本の中に希望の色がなかっったので、別注で。
2度目、3度目の洗い張りは、八掛けを思い切って遊べる楽しみもあります。
このときは、ピーコックグリーン↓を誂え染めしました。
裏に凝る江戸趣味に通じる(笑)渋派手な紬になりました。
こちらは牡丹更紗の型染め九寸名古屋を合わせて。
袖口にもチラッと八掛けのグリーンが効きます。
帯留は秋月洋子さんブランド「れん」のガラスの帯留。
同じきもので2枚目↓の帯は、ゼンマイ紬の八寸名古屋。
さっぱりしているので、無難にとどまらないように、
帯揚げと帯締に赤みをトッピング(笑)して、
大人可愛く、現代的な雰囲気になるように仕上げました。
最後の1枚↓は、紬自体は洗い張りと仕立直し。
でもこちらもやっぱり、八掛けは別注しています。
仕立て直しするとほぼ8割の打率で(笑)、別注染めしています。
でも八掛けって、すごく大事で、着姿に及ぼす効果が大きいのです。
「違和感ない色」だったら、言い方が雑ですが、無難で失敗はありません。
この場合は肯定期な無難です。
「共濃(ともこい)」「共薄(ともうす)」といいますが、
同系色で、薄め、濃いめにすることです。
もう一つは「目立つ色」。私のピーコックグリーンはこちらです。
オシャレ感が出ます。その変わり、色が立つので、
コーディネートはある程度、絞られます。
上記2つ以外では、昭和のオレンジ色の八掛けに
代表されるちょっと「残念な色」です。
あと、赤みの勝った臙脂系とかも多いですが、古さが出ます。
八掛けを変えるだけで、きもののべっぴん度がグッと上がりますよ。
こちらの帯は西村織物の博多織八寸名古屋。
ジオメトリックシリーズです。
ここ3〜4年の西村織物のデザインはほんとうに良くなっています。
通年使えて(夏専用の粗紗もありますが)、締めやすい。
でも独鈷柄ばかりでは……というところで、
デザインがよくなったので、もういうことありません。
紹介したコーディネートは月刊アレコレでも特集している、
民芸チックな紬や絣系をモダンに、
ポップに着こなす法則に添っています。
ぜひ、バックナンバーでチェックしてください!
以上、編集人みやざに回ってきた、
#StayHome #着物コーディネートリレー で
紹介したコーディネート情報でした。
月刊アレコレはきものを着る人がつくる雑誌です。
編集人、そして読者はじめ、きものをたのしむ人たちの
声や意見を反映し、月刊の特徴を活かしてすぐに取り上げています。
次号もStayHome の今だからこそのタイムリーな話題を盛りだくさん。
きものを充実させる情報を特集します。
月刊アレコレは書店では購入できません。
バックナンバーもあります。