きものの下着

晒し補整ってどうなの?ーー結論「晒し、サイコー!」前半(1)

昨日、笹島寿美先生の連載のお話を投稿しました。

 

先生の仕事の集大成といえる「骨格着付け」。

その「着付けと骨格の関係」という本を出版してから7年。

新たな解説を加えて、骨格着付けを

伝授いただける連載としてお知らせしました。

 

新連載を開始して2回目が下着と補整について。

そして3回目の今号は特に、

「補整」についての手順と解説です。

 

 

■笹島式補整ー晒しを検証して

笹島式での補整は、晒しが基本です。

他装の場合は、着付ける人の体型をみて、

さらに綿花などをプラスしますが、

もちろん、自装でも晒しを使います。

 

今号はその笹島式の晒しの巻き方、着け方の

手順とポイントを解説してくださっています。

 

さて、今日はその晒し補整について、

実践している編集人みやざ個人の感想をお伝えしたいと思います。

 

 

いつも言っているのですが、私は取材と検証を兼ねて、

いろいろな肌着や補整を試します。

自分なりのスタンダードはありますが、

まずは自分で試して、発信するようにしています。

 

……というとすごく仕事熱心のように見えますが、

(それなり熱心なほうだとは思いますww)

純粋に、着付け自体にとても関心が高いからです。

 

だからといって、着付け師になる、というのとは違います。

あくまで、着る立場、発信する立場で、ニュートラルでいながら、

あらゆる分野をある程度、掘り下げていく感じです。

 

着付け、コーディネート、素材、染織、

仕立て、ものづくりの現場、服飾史、流通、市場……

きものに関する各分野は、専門家ではありませんが、

(多分)一通りの知識が入っている、と思います。

 

で、肌着や補整も同様に……ということなのですが、

実は、晒しは試していませんでした。

 

 

敬愛する笹島先生が補整に晒しを

使っているのは知ってはいましたが、

正直、それまでは現実的な補整……という気がしなかったのです。

 

あの長い晒しを、緋牡丹お龍さんのように巻き巻き?(古い)
洗って干すにも、手間そうだし……という偏見ですね、ある種の。

 

しかし、先生の最初の連載を始めるにあたって、

(現在の骨格着付け以前の連載)

先生を特集したときに、私も試してみました。

 

 

1〜2回では腑に落ちないだろうと、少し続けて使っていました。

 

■晒し補整、思ったよりかんたんでした

これがですね、実際に使ってみると、

思ったほど手間ではなかったんです。

 

巻き方も、洗濯も。

巻き方は笹島式を踏襲しています。

 

晒しも、最初に使う分を切って、幅を半分に折れば、

あとは簡単、帯結び同様、自分の体をクルクルと、

回していけば、あっという間。

 

大事な巻き方のポイントだけ注意しながら、

(ソレさえも特段難しいものではありません)

巻き始めたら、1分どころか、

私は多分30秒もかからないと思います。

 

このあたりの、巻き方や、ポイントは本誌で

ご確認いただくとして――

 

ここでお伝えしたいのは、晒しを巻いた“効果”です。

もう、これは「効果」と言わずして、なんと言おう、です。

 

■ある日の“事件”!

先に、しばらく続けて使ってみたといいました。

何日目かに、ある事件(ワタシ的には)が起きたのです。

正しくは発見といえることなのですが、

これが「えっ!? え?え? えーーっ!?」という、

かつてない発見……というか、体験だったのです。

だから、ある意味、プチな事件です(笑)。

 

 

実は、使いはじめて数日で、別なことで、

気がついたことがありました。

これは“事件”に関係するので、後述します。

 

で、戻すと、

何が起こったか?

 

私はきものを着ると、結構着ている時間が長くなります。

終業するのが遅いからなのですが……。

 

ある日、帰る前に取材で使い、ハンガーにかかったままの

きものをたたもうと、下において、たたみ始めました。

皆さんと同じだと思います。

 

正座して、手前の衽を返し、手を伸ばして

向こうの裾を手前に重ね……ようとして、

手を伸ばしたら、「うん…?」と思ったんです。

思いながら、その裾を前に運んで衽と合わせたのですが……、

 

IMG_6832.jpg

 

「え? なに? これ」と、その動作をもう一度、やり直しました。

つまり、裾を向こうにポイと放り投げて、

再度、腕を伸ばして裾を持ち、手前の衽に重ねた……ところで、

ガーッと入り口に走って、シャッターを下ろし、戸締まりをしました。

 

怪しい者がいた? いえいえ、そんなことではありません(笑)。

もう、ソレどころじゃない事件です、ワタシ的には。

 

編集部は路面のスタジオなので、シャッターを下ろさないと

広い間口の入口で、外から丸見えなのです。

 

会社を閉めてから、急いで私がしたこと。

それはきものを脱ぐことです。

 

え?え? なぜに?

 

■腕の可動域が…広い!

はい、確かめなければならないこと、

確かめたいことがあったからです。

 

以下、そのときの私の行動です。

   ↓

 

1 きものを脱いで晒しをとる。

2 再度、晒しなしでいつもどおりきものを着る。

3 床に座って、きものをもう一度たたむ。

 (ここで「!!」と感じる)

4 またまたきものを脱いで、今度は晒しを巻いて着直す。

5 またまたまた、きものをたたみ直す。

 

……ということを一挙に繰り返しました。

なぜに? 何を確かめたかったのか?といえば、

 

これです!  →  腕の可動域っ!です!  

 (ここは鼻息荒くドヤ顔です)

 

可動域……つまりですね、

きもので正座してきものをたたむときって、

袖付けあたりに制限を感じますよね。

たたむに限りませんが、腕を上げるとか、前に出すとかしたとき、

帯で(きものや襦袢の)袖が抑えられているから、

動かすときに抵抗があります。

 

 

それがね、それが、なかったんです!

なんか、すごくラクに腕が前に伸びたので、

「あれ?」と思ったわけです。

それで、もう一度やり直して、やっぱり「あれ?」、

このラクな動きは何ごと? と思ってから、ハッと思いついて、

急ぎ入り口を閉めて、きものと晒しを脱ぎ着して、

その違いを確かめたという次第なのです。

 

晒しをとって普段通りに着て、座ってたたむと、

やはり腕を伸ばしたときに、抵抗があります。いつも通り。

でも晒しをしてから、座ってたたむと、ラク。

可動域が明らかに広いのです。

 

私なりの分析ですが、これの理由は、晒し。

笹島式の晒しは肌襦袢(肌着)の上から巻くからだと、思います。

体と肌襦袢と晒しが一体化している、といえばわかりやすいでしょうか。

通常だと、肌襦袢も、襦袢やきものと同様、

紐類や帯に抑えられて固定されるので、可動域が抑えられます。

 

 

この、腕の可動域が広い、動きがラクということは、

体に影響する負荷も軽減されるということです。

 

この“体への負荷の軽減”が、後述するとした

“気づいた点”に、大いに関係してくる――と思われるのです。

 

めちゃ、長くなるので、すみません、

引っ張るつもりではないのですが、続きは明日、投稿します。

ぜひ、晒しを実践している編集人の感想、実感を聞いていただきたいです。

 

1年に1回位、めちゃくちゃ、晒しについて語りたくなるのですが(笑)、

今回、笹島先生の連載で、かつ晒しの巻き方を

伝授してくださっているこのタイミングを逃すわけにはいきません(笑)。

 

この熱い(暑苦しいww)編集人の晒し愛を

ぜひ、また明日、聞いてください!

 

 

※本ブログの無断転載・引用は固くお断りします。

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