きもの小物

帯揚を2倍楽しむ使い方とアレンジ

最新号の特集は

「“締めつけ感”と“帯揚問題”解決します」

 

手元に届いた読者からは

早速「ガッテン!」「そうだったのかー」という

感想をいただいています。ありがとうございます。

 

 

問題解決は本誌でご覧いただくとして、

今日はその帯揚の使い方のアレンジについてです。

 

きもののコーディネートは、言わずと知れた

きもの、帯、帯締、帯揚で構成されます。

そして、半衿、襦袢、八掛け。

さらに履物(鼻緒)、バッグ、スカーフ等々。

 

きものと帯は二本柱となりますが、

そう簡単にいくつも入手できません。

 

だから、小物=帯締・帯揚・半衿でアレンジするのが、

コーディネートの基本であり、楽しみです。

 

で、今日の帯揚バナシです。

 

■2~3色染め分けの帯揚は本当に便利か?

最近は、リバーシブルの帯締、特に三分紐では人気です。

帯揚でも最近は、2色染め、3色染めがあり、

好きな方を出して使えるので、

1枚で2枚分、3枚分という触れ込みで人気です。

 

ただ、気を付けなければならないのは、3色染めになると、

色の幅が狭くなる分、なかなか思った色を出しにくいという難点があります。

色と色の間がぼかしになっているとなおさら色の幅が狭い。

↓下は私が持っている、まさにソレです(笑)。

 

 

 

真ん中に帯枕を置くことを考えると、わかりますよね。

やり方やひと工夫で色を出すことは可能ですが、

ちょっと手間がかかります。

枕を使わない銀座結びや、半幅に飾りで使う時はいいと思います。

 

私としては2色が一番使いやすいかなと思っています。

間がぼかしになっていれば、そればそれで使えるので。

 

■水引風帯揚

“水引”、帯締ではときどきありますね。

左右の色が違うものを言います。

祝儀袋など、お祝いで使う紅白の水引から来ているのですが、

そこから、いまは紅白に限らず、左右違う色になるものを

“水引”と言っています。

 

最近、帯揚も“水引”や“水引風”がいいなと思っています。

水引“風”というのは、色の違いというより、

左右の柄の違いということも含めてのことです。

 

↓今号の月刊アレコレのカバーは

お正月を意識して、いつものカバーよりフォーマル感がある

訪問着に袋帯の正統派スタイルです。

 

 

 

 

でも帯揚が水引(左右の色の違い)で、古典的なスタイルより、

ちょっと現代風なテイストになっていると思います。

 

そして、もう一つは、こちらの下の画像↓

実はこの帯揚を購入したとき、畳んである袋の中は、

全面がトラトラっぽい柄だったので、てっきり全面柄だと思って購入しました。

が、帰って開けてみると、半分だけ(苦笑)。

ちゃんと中は確かめましょうね(笑)。

 

でも、それはそれでまた別なおもしろさがなくもない(笑)。

普通に結ぶとこんな感じ。

 

写真(2016-03-30 21.29).jpg

 

 

(これらの写真は以前もアップしたことがあるのですが)

次はこちら。

 

今号では帯揚を結ばない方法もご紹介していますが、

私の場合、その片側だけの柄を出そうと思い、

完全に“一車線”で入れています。

(一車線は私が勝手に名付けている呼び方です(笑) )

 

 

写真(2016-03-30 21.23).jpg

 

 

“一車線”は、片方を引っ張りつつ、

脇の位置まで持っていき挟み込み。

このとき下になる方はやや押し込みがちに。

もう片方を上に重ねるようにして、

同じように反対側の脇まで持っていって端を挟み込むだけです。

 

気をつけたいのは、出すぎ。

この方法は振袖でやることがありますが、

出すぎるとほんとうに振袖みたいになり、

私みたいなオバサンには不格好です(笑)。

柄の効果がでる分量をギリギリ押さえつつ、しっかりチェックしてください。

そこさえ気をつければ、これもおもしろいと思います。

 

左右でうまく柄が出せないときは、“一車線”試してください。

そして、“一車線”で入れたところに、

もう片方の柄なしをちょっとひと工夫して、

結び目風に入れたのがこちら↓

 

 

写真(2016-03-30 12.39).jpg

 

 

2枚めの写真の“一車線”がこの柄を活かしているかなと。

民芸テイストの帯にアソビをトッピングした風になっています。
因みにこのコーディネートは、

結城紬に、(なぜか要尺に足りなかった)琉球絣の反物を帯にしたもの。

この画像は一昨年のものですが、

最近、特集した民芸POPに近いセンを狙って、

あえて同色系で洋服っぽいまとめ方をしたコーディネートです。

 

ということで、使い方をアレンジすると

手持ちの帯揚にちょっとリニューアル感、出ます。お試しください。

 

 

■“色”の見直し、惚れ直し

撮影で使うこともあり、帯揚の色は好みを超えた色揃えになっています。

その中で、写真のこの、なんとも言えない、

茶なのか、黄土色なのか、ドドメ色なのか(笑)という色の帯揚。

結局15年くらいただの一度も、仕事でも私的にも

使うことがなかった帯揚です。

ほかの地味めな色と並べても、さらに地味。

というか、キレイ…には見えませんよね。

 

 

 

 

ところが、15年日の目をみなかったこの帯揚が、

一昨年から急に出世しました(笑)。

 

どういうことかといいますと……、

月刊アレコレ編集人は、「KICCAきものカラーコーディネーター協会」の

理事として、代表理事の能口先生とともに、

カラー講座の立ち上げから関わっています。

 

講師でもある能口先生の色彩理論を学んでいると、

色に対しての先入観がなくなり、どの色も“使える色”に昇格します。

これは受講した方が全員いうことなのですが、

「色域(使える色の範囲)」が広がるからなんですね。

 

私もある日、このダメ子ちゃんだと思っていた帯揚が、

急に!“ゴールド”に見えてきた!のです(笑)。
ゴールドを意識したモダンなコーディネートでは

文字通り、輝くのですよ、この色が(笑)。

 

何が言いたいかというと、

(カラー講座、ぜひ受けてみてくださいというのもそうなのですがw)

ハナから、この色、好きじゃない。

この色、きれいじゃない、もしくは使えないと、

思っている色、ありますよね。帯揚に限りませんが。

ちょっと目線を変えてみるといきなり、お利口なコになります(笑)。

 

ただ自分から切り替えることは確かに難しい。

人から「それ、いいわね」「どこで買ったの?」とか、

新しい知識を入れるなど、外からの刺激が必要かもしれませんが、

ちょっと意識してみると、惚れ直しちゃうアイテム、

きっとあると思います。

 

 

 

きものを着る人を応援する、

きものを着る人が作る雑誌、

月刊アレコレは書店では売っていません。

送料無料の年間購読はこちらから。

 

「大竹恵理子のプロのための着付けブラッシュアップ講座」があります。
お申込みはこちらから
(3/10 ・ 3/11両日とも同じ内容になります)→ ※3/11は定員となりました。
前回の様子はこちら。のブログで。

 

KICCA(きものカラーコーディネーター協会)の

「きものカラーコーディネート体験講座」も受付中。

お申込みはこちらから。(KICCAのサイトへ飛びます)

「KICCAきものカラーコーディネーター講座」についてのブログはこちら

 

木越まり きものデザイン講座(ベーシック・アドバンス)も

申し込み受付中です。

きものデザイン講座についてはこちらから

 

 

カテゴリー

タグ一覧