足袋の見分け方
昨日、左右別な足袋を履いてしまいました。
急いでいたので気付かず。
でも、会社ついて草履を脱ぐと、あれ?変。
左右違うとはいえ、さすがに右は右、左は左ですよ(^^;)
でも足のフィット感が違う。
そう、左は安い量産品の足袋。
右は新富町の大野屋総本店で
自分の型を作っている誂え足袋。
カラー講座の皆さんが、
こんなに違うー!と驚く差が、
やっぱりあるんです。
右はシワがなく、桜の花びらみたいなチョキになるんですが、
安い足袋は親指がチッチキチーな
ブサイクなかたちなんですよね、
ゆーたら(^^;)シワも多いし。
でも、履きますよ、量産品も。
たくさん持っています(笑)。
大野屋総本店さんは、200年余の歴史があり、
手作りの江戸足袋のなかでは唯一、量産ができるお店です。
近くに新橋演舞場や歌舞伎座があることもあって、
役者さんや舞踊家さんのご贔屓が多いお店なので、
きつめとは違うのですが、ややぴったり目の、
舞台で足が綺麗に見える新富型と言われる形です。
戦災を逃れ、中央区の文化財に指定されている
築100年近くになる木造二階建。一階はお店。
二階で職人さんたちが作業をしています。
古いもので100年近く前のミシンも現役なのです。
大野屋総本店さんは2回取材していて、
製造している2階の作業の様子も見させていただいています。
毎月演目に合わせて出演者の足袋の注文がfaxで流れてきます。
私も見せていただきました。
吉右衛門丈、団十郎丈、先代勘三郎丈など、
主役から脇まで、役者の名前とともに、
白足袋20足とか、紺足袋5足とか。
社長の福島さんは役で使う足袋の注文表と顔ぶれをみて、
演目が予想つくとおっしゃっていました。
型を作るとコハゼに名前を入れてもらえます。
これがまた、ツボ。なんか、嬉しいんですよね。
私はハンドルネームやニックネーム的な
「みやざ」が入っています。
因みに、私をみやざさんと呼ぶ方は
結構古くからのつながりがある方です^_^
向島のみようがやさんの足袋も履きやすい。
あ、安い中国製などの量産品との違い、コハゼのかけ糸。
手造りのところではかけ糸を付ける作業は最後になります。
だから内側に縫い目が見えます。
安い量産品は多分効率的な流れ作業の工程から、
最初につけてしまうので2枚合わせの内側に
入ってしまってみえません。
かけ糸の縫い目がみえるほうが、昔ながらの作り方で作っている足袋、
ということになるんです。
大野屋さんの足袋も、みょうがやさんの足袋も、かけ糸は内側に見えます。
そういえば、いまTBSの日曜劇場、
ランニングシューズに挑戦する足袋屋さんの話ですね。
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