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「サプール」写真展、カッコイイ!

以前、こちらのブログで取り上げた

コンゴの洒落男・伊達男「サプール」。

こちらの写真展が東京駅大丸で開催されていて、

見てきました。

 

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見ごたえのある量の写真。

そしてサプールたちのエレガントで

洗練されたスーツ姿。

貧困国コンゴで、なぜ「サプール」の

文化が生まれたのか……は、

以前のブログを再掲しますので、

サプールの説明も合わせてこちらで。

大丸の開催は10月10日まで。

ぜひ御覧くださいー。

 

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ウェブ上ではかなり話題になり、

もう知っている方もが多いと思います。

 

先週、まさにダークホース(な番組)が、

一気にトップに躍り出て

ゴールしたかのような、

清々しい番組を観ました。

 

それがNHKの「地球いちばん」という番組です。

私は熱心な視聴者ではなく、

本当に偶然観たのです。

でもウェブ上で話題にしていた人たちも

たまたま観ていた、という方が

多かったような気がします。

 

その何が話題かというと――――

観なかった方のために説明すると、

“地球でいちばん◯◯”というテーマで

制作しているのですが、

その取り上げる「いちばん」が、

さすがNHKという、地味なような

マニアックなような、

結構絞りを効かせた取り上げ方です。

 

私が久々に熱く感動したのは

「世界でいちばん服にお金をかける男たち」です。

 

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60年くらい前までは、

フランスの植民地だったアフリカ大陸のコンゴ共和国。

日本円にして、平均月収2.5万円のその国で、

収入の半分以上を服に費やす

「サプール」と呼ばれる男たちを紹介した番組です。

 

そのなかの、「良い服は良い習慣をつくる」――――

コンゴのジェントルマンのこの言葉に、

いたく感動しました。

 

宗主国・フランスの男たちの、

清潔でセンスのよい装いや着こなしに憧れ、

マネをした男たち。しかしそのマネは、

服を通して貧しい国ならではの精神性を投入した、

独特の文化として定着したのです。

真底貧しい国で、服に見栄を張る男たちが

持つ信念に、かけがえのないものがあるのです。

 

 

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「サプール」と呼ばれる、

お洒落な服を着こなす洒落者たちが

作り上げた文化。

 

彼らサプールは決して特殊な

裕福層ではありません。

電気工事業や水道工事、タクシー運転手、警官など。

平日は質素を通り越した服を着て、

多くは肉体労働を生業としています。

しかし日曜日になると、

プラダ、ディオール、KENZOなど、

一流ブランドのスーツに身を包み、

その着こなしを見せます。

 

 

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どこで? 街中です。

家を出たら、サプール特有の

歩き方・動作・仕草をしつつ、ただ歩き、

人々の注目と喝采を浴びる。それだけです。

白い土埃が革靴にかぶる

舗装されていない道を歩き、

立ち止まり、お茶をしに座っている。

ただそれだけです。

しかし、彼らは人々にとって

尊敬に値するヒーローなのです。

ある意味、彼らを見ることが娯楽でもあり、

その行動を妬むものはいません。

しいて彼らの特別な場所といえば、

彼らがよく行くBARがたまり場的になっていて、

そこでお互いの服を見せ合うのです。

 

キャリアが長いおじいちゃんサプールはいいます。

「サプールは平和と友情を大切にする」

「それがエレガントなんだ」と。

サプールは決して人と争わない。

紳士として他者を尊敬し、認めるのだと。

コンゴは1990年代に内戦が起こります。

 

しかし「サプールは決して武器を手にしない」。

サプールを目指す若い弟子にも言い聞かせます。

(タイの結び方や色合わせのセオリー、

仕草などを教えるのです)

 

そして彼がデビューするとき、

初めての買い物に同行。アドバイスを

して決めたその服の代金を師匠である

おじいちゃんサプールが払ったのです。

 

その金額4万円! 平均月収2.5万円の

暮らしをする国でです。

レポーターが「なぜ?」と聞くと、

国のためになることだからというのです。

その弟子はそれまでは

あまり褒められた行動をする男では

なかったようです。

ケンカもよくしたといいます。

彼を更生させるため、というのとは違います。

それが誰であっても、

「サプールになったらお前はその自覚を持って

行動しなければならない」と諭します。

「サプールはスタイルも精神も

エレガントでなければならない」

「若者のその精神がコンゴの未来のために

必要なんだ。学問と同じだ」と。

 

そして言うのです。  「良い服は良い習慣をつくる」

 

この言葉は目からウロコでした。

普段、私たちは習慣のところを

文化と言い換えています。

よく使う、きものは文化という言葉もその一環です。

しかし、似ているようでこの言葉は

まったく違う意味合いが

込められていると思うのです。

 

良い服は良い習慣をつくる=美しい服を着るものは

美しいスタイルと行動と精神を

持たなければならない ということなのです。

 

彼の地はまだ水道が整備されておらず、

彼らは家の外にある水汲み場へ行き、

バケツで水を運び、体を洗い、洗濯をします。

彼らは服を買うために職を得、

まじめに必死に働くのです。

 

 

サプールは

principle(プリンシプル=原理 原則 主義 信条)を

持っているのです。

『プリンシプルのない日本』を著した

白洲次郎を思い出しました。

スマートでスタイリッシュ。

確固たるプリンシプルを持つ男として紹介されます。

 

そういう精神性が見えるサプールたちの着こなし。

ほんとうに、カッコイイ!

 

おしゃれは平和を呼ぶのです。

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