月刊アレコレ最新号特集は「ゆかたレスキュー!」
アレコレvol.132、本日発行です。
今号の特集は、「ゆかたレスキュー」!
7月に入ったけど、
「まだゆかたの準備できてない!?」
でも、でも、でも!
花火はゆかたで行きたい。
彼に見せたい。女子会で着たい……
そんなアナタのための「駆け足」で準備ができる
レスキューな内容をギュッとまとめました。
そもそも、何を用意すればいいの??
何が必要なの?
どこで買えばいいの?
とゆーか、ゆかたってどうやって着るんだっけ?
帯って、どうやって結ぶんだっけ?
ふふふ。ご安心めされ、おじょーさま、おねーさま(笑)。
そんなこんなもぜーんぶ、入れてます。
もうゆかたは、ちょちょいのちょいよん♪という(笑)
自立したきもの女子の皆さんは、
今夏はカレシ、オット、ムスコを
ゆかた男子に仕上げてくださいませ。
はい! 男子の着付けと簡単帯結びもサラリと
ご紹介しておりますです。
(至れり尽くせりww)
で、これから買いに走りたいというかたのために、
ワタクシがレクチャーする、素材のお話です。
ゆかたの素材、基本は綿です。
が、綿100%といっても、いろんな綿があります。
「いろんな」の意味は、
糸質から、糸の撚りから、織り方など。
糸に関しては専門的になるのでここでは省きます。
わかりやすい違いは「織り方」です。
昔から多いのが、コーマ地という平織りの生地。
平織りというのは、タテ・ヨコの糸が
交互に交差する、織りの基本です。
交差する糸を2本使いすると
平織りの一種で斜子織りになります。
因みに、織りの基本を三原組織といい、
平織り・繻子(しゅす)織り・綾織りです。
これはきもの生地に限らず、
テキスタイルにおける三原組織です。
このコーマの生地で藍一色染めだと、
いかにもTheゆかた という江戸前な雰囲気です。
コレです↓
コーマ以外でゆかたで見るのは「綿紅梅(こうばい)」。
凹凸のある生地=勾配 からの当て字だと言われています。
生地に小さな□(四角)ができる織りのゆかた、
みたことありませんか?
コレです↓
これは細い糸と太い糸を使っていて、
そのために凹凸ができるのですが、
肌に触れる面積が少なくなるので、涼しい。
この「肌に触れる面積(の少なさ)」というのは、
夏の素材で重要視される条件の一つです。
テロンとした平坦な織り生地は、
ぺたりと肌に着地します。つまり肌全面に密着。
これ、暑いですよね。
生地がなるべく肌に触れないように工夫したわけです。
それが「紅梅」です。
同じ発想で工夫されたのが「楊柳」です
「縮(ちぢみ)」とも言います。
コレ↓
いわゆるシワ加工です。
これも紅梅と同じで、しわしわの凹凸ができることで、
肌が生地と密着しない。
この加工は夏きものでは特に多く、
麻や綿麻、正絹でも、「縮」加工のものがあります。
ここでは「加工」といいました。
そう、この楊柳または縮は、
織りの違いではなく「織る前」「織ったあと」に
シワができるような作業工程を加えるので、
「加工」になるのです。
きものファンに大人気の「小千谷縮」は
素材が涼しい麻で、かつシワ加工がしてあるので、
夏いち、涼しいきものといえるのです。
で、最後が「綿絽(めんろ)」。
これは織りの名前になります。
はい、こちら↓
絽織りというのは、絡み織りの一種で、
糸を絡ませる織り方です。
搦(から)み織り・捩(もじ)り織りともいいます。
ざっくりわかりやすく言うと、
糸を絡ませたところに絽目(ろめ)という、
空間ができます。その空間がある分、
涼しいということです。
絡ませる間の糸の本数で、
三段絽(平織りした糸3本置きに絡ませる)、
五段絽(糸5本置きに絡ませる)、
七段絽などがあります。
絽織りや綿紅梅は「薄物」という、透ける織物になります。
しかし、絽織りは綿紅梅と違って、
凹凸ができる織りではありませんが
絹糸より綿糸のほうがラフなので
肌への密着感は絹ほどではないと思います。
以上、織りや生地で選択する場合でのお話です。
ここでもう一つ、重要な選択ポイントがあります。
織りではなく、「素材」での選択です。
「ゆかたはほとんど綿」と、先にいいました。
綿以外では「綿麻」があります。
綿と麻の混紡です。
正しくいうと混紡と交織があるのですが、
これもちょっとここでは割愛します。
いまほとんどが混紡の綿麻です。
一般的には綿70%、麻30%の割合が多い。
(これも糸で全然、質が違います。言い方悪いですが
凡人の70%と、天才の70%のレベルが違うようにww)
きもので着るなら(いえ、ゆかたでももちろん)、
綿麻のほうが暑くない!
涼しいか!? といえば、夏は何を着ても暑いのです(笑)。
しかし、綿と綿麻では、
暑さの度合いがあきらかに違います!
きものでも着ることと、
シーズン長めに着られることを前提にした
編集人的なオススメは、
- 綿麻
- 綿なら紅梅か楊柳
- 柄に金魚や団扇など、いかにも“Theゆかた柄”でないもの
いま、「ゆかたをきもの風に着る」情報が発信されています。
決して新しい提案ではなく、もう10年以上になります。
その内容が、どうも帯や半衿、足袋を着けるという、
見た目のビジュアル変化だけを取り上げることが多く、
こういう生地のことはほとんど、触れられていないようです。
「好み」だけでよいのならいいのですが、
はっきりいって、コーマのゆかたを
下着を重ねてきものとして着るのは、
暑くてムリ!と、個人的には断言しちゃいます。
特に湿気があるときは耐え難い。
綿よりは綿麻。
麻は最高ですが、柄の種類、価格、透け感等々、
一般的に考えるゆかたのジャンルから離れる部分多し。
私は夏は、麻きもの6割以上、
綿麻と綿が約3割(うち8割が綿麻)。
正絹が1割程度です。
あ、それとせっかく暑さ対策も兼ねてゆかたの
素材を選んだら、帯もチェックしておきます。
デザインはおいて、素材中心で話します。
ゆかたようとしては、ポリの帯が豊富です。
綿、綿麻、麻の半巾帯がいいと思うのですが、
最近、リバーシブルが人気です。
このリバーシブルは
仕立てで両面を縫い合わせているわけですが、
間に「帯芯」が挟まれているものがあります。
型染め、絞り、プリント柄のものなどは
ほとんどが入っています。
これも暑さの原因にはなります。
芯の入っていないのが、
織りのリバーシブル。
こちらは正絹かポリが多くなります。
しかし、きものとして、さらには、
秋冬のきものにも使いたいという視点であれば、
多少、高くても正絹はオススメです。
こちら↓ レトロテイストデザインの両面選べる帯です。
締りの良さでいうと、
木綿や正絹がGood
あーーー、いろいろお伝えしたいことが山盛りです(;´д`)
んでも、あまりに長くなりますので、
とりあえず本日はこのへんで。
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皆さん、今年、キラキラな良い夏を
お過ごし下さい。