アレコレ最新号特集「絹・綿・ウールなどの交織素材!」
月刊アレコレvol.123発行となりました。
なってからすでに5日が過ぎました~。
(いつもいつも告知が遅れるいたらなさ……大いに反省はしておるのですが…(;_;))
さて、今号の特集は
「最近気になる正絹以外のウワサの素材たち」
ウールや綿、絹、ポリなどとの交織素材。
機能、着心地、実際のところ、どうなの?
というわけで、木綿の「染織こだま」の店主、児玉さんに監修していただいた今回の特集。
●太物っぽいけど太物特集じゃないよ。交織がメイン。
最近は木綿や麻、太物が人気です。
正絹ではない木綿や麻は巻くと正絹の反物より太いので「太物」といいます。
かつては呉服屋さんは正絹の呉服を商い、太物を扱うお店は太物屋さんとして別にあったのです。
つまり生活着としてのきものが存在していた時代に必要とされ、また区別されていたのです。
その後、特別なときに着る「呉服」が残り、太物屋さんはなくなってしまい、一部、柔軟な呉服屋さんが太物も扱うというようになっています。
中には昔、太物屋さんだったお店が「呉服屋」さんに鞍替えしたお店もあります。
で、延々と太物を説明したのにごめんなさい、今回は太物特集ではありません(笑)。
(太物特集は来年2月に予定しています!こちらもお楽しみに)
木綿・麻以外の、太物系の交織素材の特集です。
いかにも月刊アレコレらしいでしょう?(笑)
●綿と絹と羊毛の交織&ポリの情報だって、ほしくないですか?
木綿や麻の特集や本はたくさん出ています。
でも、ウール、シルクウール……このあたりはまだ知られているほうですが、
コットンウール、コットンシルク、ポリ絹などは、あまり知られていないと思います。
それとシルックとかセオαも取り上げています。
シルック以外は実際生産反数も少ないのですが、それでも昔からの生産者はおりまして、こちらも下手をするともうなくなってしまうという瀬戸際です。
月刊アレコレとしては生産者さんのためというだけでなく、基本は、着る人に様々な情報をお教えして、それで選択してもらえばいいと思っています。
知らずして……は着る人にとってある意味、不利益ですからね。
●きものをこよなく愛する人たちだって、交織素材love
今号でコメントをいただいた方。
・シルクウールは、「きものさくさく」 の須賀さんから。
・コットンシルクは、きくちいまさんのプロデュースした303を着たユーザーの方が、
・ウールは、きものびとでも登場した、広島の放送局にお勤めで、古式泳法・「神伝流」を継承する神伝流広島游泳同志会の松岡さんから。
・ポリ絹は、満点スリップの気仙沼たかはしきもの工房の、高橋女将から。
・英の洗えるきものは、「着付け おべべにゃんこ」の佐川さんから。
・セオαはfunnycocoのきものスタイリスト山崎さんと、着付け師・徳永寛子ちゃんから等々、着たヒトのコメント、いただいています。
こちらも本誌でぜひチェー−ックしてくださいね!
●本誌に掲載されていない番外編、編集人の実感~~!
この特集をするために、ワタクシこと編集人みやざ、昨年からコットンウール、シルクウール、コットンシルク、英の洗えるきもの(シルック)をゲト致し、着ています。
基本、「着る人が作る雑誌」の看板に偽りなしですので(笑)。そして、読者の意見や声もふんだんに取り入れております。
英のきものとシルクウールはリサイクル、コットンウールとコットンシルクは誂えました。で、今回はついでに編集人の私的感想もついでにご紹介します。
◇コットンシルクはですね、
経糸が綿、緯糸が絹。素材感はややもっさりした感じがあって木綿っぽさが出ていますが、田舎っぽい感じではありません。素朴なほっこりした感じで、着心地はいいですよ~。光沢も適度にあります。柄は基本、織物なので縞格子となりますが、デザインは好みです。
関東なら綿紬として、12月くらいまで着られそうです。
綿と絹の交織は昔からあったのですが、数が少なく、またニーズもあまりなかったようです。きものが生活着の時代は、木綿は木綿でいいし、お出かけ着や一張羅絹でいいわけです。なので、きっと中途半端だったのかもしれませんが、いまの時代にはピッタリだと思います。
絹より気軽に、かつ洗えるきものとして普段着に活躍します。
◇コットンウールはですね、
現在、入手できるのは阿波しじら織りの、綿と羊毛の交織です。素材感はほぼ綿100%の阿波しじらそのままです。
つまり、打ち込みが甘いので通気性はいいのですが、軽くてフワフワしていて落ち感がありません。打ち込みが甘いということは、座るとおしりや膝が出やすいということです。木綿や麻などの素材はみな同様の特徴がありますが、木綿は産地により素材感は厚さなどもふくめて非常にバラエティに富んでいて、中には川越唐桟のように落ち感がいいものもあります。阿波しじらのコットンウールはごくごく普段着には向きますが、おしゃれを競う場にはいまいちかなあ~というのが、正直な感想です。
◇シルクウールはですね、
シワになりにくく、落ち感もウールに比べるとまあまあ。ただ、私の場合、プレタのリサイクルを購入したのでとにかく仕立てが悪く(ミシン仕立て)、サイズも大きく、正当な着心地にジャッジができかねるところがあります。
シルクウールに関しては、本誌の須賀さんのコメントがとても参考になります!
◇英の洗えるきものはですね、
まともに購入すると絹と変わらないお値段になる、英のきもの。
見た目は物によっては絹と見劣りしないくらいのものもあります。安っぽくない、というのがまず◯。ワタシが着ているのは友人がフリマに出してくれたものをGET。サイズもぴったりで、着心地も悪くありません。もちろん絹には到底及びませんが、袷でも丸洗いできるという点で、飲食店の女将さんや噺家さんがあえて選ぶというのも分かります。
オススメしている「おべべとにゃんこ」の佐川さんのコメントもすっごく参考になります。
シルックがいいのではなく、「英のきもの」がいいみたいなのです。その理由は本誌で~。
◇ポリ絹はですね、
すみません、特集の仕立てに間に合わず、まだ手元にありません。
なのでワタクシ、まだ皆さんに実感をご報告できませんのですよ~。
が、これのコメントをくれたのが、あの気仙沼・たかはしきもの工房の女将。
悉皆屋として素材を知り尽くして、絹が大好きな女将がポリ絹を選ぶときとは?
こちらも本誌でご覧下さいね。
というわけで、たまーの更新がまた長い長い(笑)。
でも参考になると思ってのことです~。飽きたかたは途中で離脱してください……って、ここまで読んでくださってありがとうございます。(^_^;)
最後に、お仕立て代は全部自腹。経費で落とせないツラさよーー!
まあ、絹じゃないので、働いて働いてなんとかしていますけど。
でもまあ、ものを買うということ、お金を使うということも大事だとは、思っています。
皆さんも、自分のきものを「養って」ください(笑)。
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