ゆかた

ゆかたのハナシ――その2 衿芯を使うとgood

「袂に知恵と工夫」がスローガンの小さなきもの雑誌・月刊アレコレ編集人みやざでございます。
隅田川の花火は終わったけれど、まだまだ各地で花火があります。
夏祭りもね。ゆかた、いーっぱい着てほしいなと思います。
やっぱり夏祭りにゆかた、花火にゆかたはテッパンのかわいさ、色っぽさです。
さて、前々回ゆかたについての投稿をしました。
気が向いたらつづきをと(笑)、自由な発言をしていた編集人でございますが、気が向いたので(笑)引き続き、ゆかたのことを書いてみます。
と言いますか、締切が落ち着くとブログを書く気になるんでごんす(←ナニモノ?ww)
前回は、ゆかたに足袋ってどうなの? というお話と、
ゆかたをきもので着たら……という話題でした。
今日は、ゆかたを王道に美しく着よみよーじゃないかっ!というブログです(笑)。

まずは衿元命!(笑)ということで、衿元のお話です。
が、これから紹介する方法は、絶対しなければいけないということではありません。
こういう方法もあるという、主に、入門・初心者を対象としたご紹介です。
下記はみやざのお仕事ちうのゆかたです。
因みに、このときは締切撲滅週間にて2日間家に帰らず、3日振りに帰ってさっぱりとゆかたに着替えてUターンという、ヒトとしてどーなんだ?という生活の月末でした(笑)。
自分でいうのもナンですが(笑)、衿元、ピシっときれいじゃありませんか。

yukata.jpg
最近は知ってる方も多いと思いますが、
秘密は(というほどではありませんww)「衿芯」。
きものを着るときには半衿のついた襦袢や半襦袢を着ます。
その襦袢に着けた半衿の内側にプラスチックの衿芯を入れて(※注:三河芯という厚手の木綿芯を半衿でくるんで縫いこむ場合もあります。昔はみなそうでした)衿元がよれないようにします。
だからその上に重ねるきものもピシッとキレイに重なるわけです。
この衿芯、2枚重ねて入れる人もいます。
ピシッピシッが好きな人ですね(笑)。
ところが、ゆかたは一般的に半衿をつけません。
じゃあ、どこに衿芯を入れるの?となりますね。
ここです。

修正IMG_1420.JPG
「地衿」(きもの・ゆかたに元々付いている衿)の上に、汚れたら取り替えられるようにもう一枚衿がかかっています。
これを「掛け衿」といいます。
衿の胸元辺りに縫い目があります。
そこの内側から衿芯を入れます!以上!(笑)
(ゆかたが黒くて見にくいですが、芯を入れている場所は衿の内側です。
見えるように表に反(かえ)しています。間違わないでくださいね。)
先にいいましたように、主に入門・初心者の方を対象としています。
衿芯入れる入れないから始まって、衿芯の種類や入れる向き、
入れるときの縫込みの解き方、
それぞれ違いも意見もあると思いますが、ここでは「そういう方法もあるよ」という紹介です。
で、続けると、「縫ってあって入らない!」というかたも多いと思います。
というか、それが普通ですね。
内側の掛け衿をめくるようにして、気をつけて糸切りはさみでパチンと切ってほどいちゃってください。
(追記:解いたら、衿山を一針縫い止めておくと安心です。安易に切りっぱなしにしないほうがいいですよとご意見いただきました。ありがとうございます。(^^))
あ、もう一度いいますが、衿の内側のほうですからね、切るところは。
衿芯は内側に入れるものです。
で、切ったそこから衿芯を入れると、気持ちいいくらいスルスル入っていきます。
写真はプラ芯です。メッシュ芯のほうが涼しいですが、コシがないので入れにくくはあります。
慣れていない人はプラ芯でいいと思います。
胸元だけでなく、首の後ろの衣紋もきれいなカーブができて、大人ゆかたのスキっとした衿元になりまする♪

ただ、プラ芯や、そもそも衿芯が暑いという人もいるので、そこは自分の判断で。
自分の優先したい条件を選べばいいのです。

ただ、「スルスル」入らない衿もあります。
古いリサイクルや、おばあちゃんのお下がりなど、昔の家庭で仕立てたゆかたは掛け衿がついていなかったり(※注1)、内側の幅が狭かったりと、見えないところで手抜き(工夫?ww)があったりします。
※注1ですが、見た目は掛け衿に見えても、「なんちゃって」で、ほんとうの掛け衿じゃないということがあります。
下の写真は、みやざが持っている、まさにその一例。
叔母のお下がりで40~50年くらい前のものだと思います。綿紅梅という生地の藍染めの長板中形です。
掛け衿らしき縫込みがあるのですが、衿芯を入れようと思って縫い目をパチンパチンと切ったら、
なんとビックリの「なんちゃって」だったのです。
わかりますか? 折り込んでいただけだったのです。

2015-08-01 00.20.04.jpg
つまりすべて地衿。一枚の衿をわずかにたたみこんで重なりがある風に縫っているのです。
おはしょり状態ですね。腰紐を解くとぺろんと一枚のきものになるように、縫いこみを切ったら、1枚の衿だったという。
昔はゆかたなんて仕立て屋さんに出すこともなく、家庭和裁で縫っていたので、難しいところは手抜きしていたのだと思います。きものでも家庭和裁のものは結構、お直しが難しいといわれるものが少なくありません。
また最近は海外縫製ものなどにも、「なんちゃって」があります。
 
几帳面で器用な人なら地衿まで解くことができる人もいますが、
そこまでしてやらくてもいいよ、と私的には思っています。

なので、衿芯が入らないゆかたもあります。
そういう時はどうするか。————糊を効かせてピシっとハリのある状態にして着る、ですね。
こちらは、本日のワタクシ。その叔母の衿芯が入らない「なんちゃって」掛け衿のゆかたです。

長板綿紅梅.jpg
実をいうとこれは糊を効かせていません。
ここからが、もう一つ大事なところです。
衿芯を入れる方法をご紹介しましたが、本来の目的は「キレイな(好ましい)衿元」です。
衿芯も、糊づけも、そのための一方法であって、そういうことをしなくても、
衣紋をきちんと抜いて、衿合わせを丁寧にすれば、ほぼほぼキレイに仕上げることはできます。
着付けのキャリアや慣れに関係してきますが、
あまり枝葉末節にとらわれすぎないでくださいね。
着てナンボのゆかたです♪ まずは、たのしむことを第一にすれば良いと思います。
で、ゆかたの下着のお話もしたかったのですが、
またまた長くなりましたので、本日はこの辺にしまーす。
おつかれしたー。
気が向いたらまたゆかたについて投稿しますね(夏が終わらないうちなら…)
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今月5日、通巻121号が発行になります。
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