月刊アレコレvol.115は「特集 笹島寿美という宝」
いつもながらお知らせが遅くなりました。
月刊アレコレvol.115、発行です。
お待たせの笹島寿美さんの特集、そのタイトルも「笹島寿美という宝」です!
今号と次号、2号続けてお送りします。
ほんとうに笹島さんは、知れば知るほど着付け師として、人として、その大きさと魅力に圧倒され、引きつけられる方です。
笹島先生が持っているきものと着付けに関する知識や理論や考え方は、たくさんの本が出ているにも関わらず、そのすべてが伝わっていないのではないかと思っています。
いまや「ほぼ笹島寿美(の着付け)研究家」「ほぼ笹島寿美著書コレクター」「軽くストーカー」(と言われたww)等々、たくさんの肩書をもっています(笑)。
はっきり言ってワタシ、(多分)着付けオタクです(笑)。
仕事柄もあって資料としてきものの本や着付けの本は読みますが、着付けの本に関しては、主だった着付け本や大御所と言われる先生のものなど、さっとじゃなく、がっつり、目を皿のようにして(笑)読みます。
編集や構成、写真の撮り方・使い方、説明文の過不足とか。
こうして書くと「職業柄」みたいに思われると思います。
ま、確かにそれもあります。
が、いちばんは単純にどこに「差」があるのか。そこに最大の関心があるからです。
なぜ「差」なのか————
だって、同じかたちの服を、人体に着せるという行為は、すごく間口が絞られているワケじゃないですか?
人体は千差万別というのはわかります。でも人の体の基本的な作りは同じです。
ではいろいろな「先生」や「着付け学院」「着付け師」のお家芸みたいに披露している本の着付けはどこが「お家芸」なのか、非常に興味があるわけです。
道具を使う使わないは、ま、論外。道具を使う着付けはワタシの興味の対象から外れます。クリップや仮紐はありの、基本は手結び。
それでどこがどう違うの? というのを、オタクチックに(笑)読み込むわけです。
で、さらにはそれを試してみます。だから、着付けを上手になりたいというのとはちょっと違う……んですよねー。
その違いや差を知ることがおもしろく、どんどん突っ込みどころもマニアックになってきます。いえ、本に向かっての一人遊びですよ(笑)。
そういうなかで、骨格着付けを提唱する笹島さんと出会いました。
本は読んでました。でも笹島さんの方法は、正直に申し上げると、実践はしていませんでした。
なぜかというと、大御所すぎてピンとこなかったのです。
体の特性の取り上げ方は他の着付け術とは違うとは思っていました。参考にもなりました。
でも、まず補整が「晒し」という時点で自分にとって現実的な感じがしなかったのです。
しかし、いま、補整が晒しでなくても、笹島さんの着付けのすごさがわかります。
私は役得で、ご本人と会って、取材して、インタビューして、本のなかのテキストに書かれてない笹島さんの本意や着付けの考え方を直接聞くことができました。
着付けの手さばきも、数回ですが見ました。そして著書という著書を、随筆まですべて読んで、知れば知るほど笹島さんの「すごさ」が自分のなかで大きくなってきました。やっと核に行き着いた、みたいな感じだと思うんです。
で、考えたのは、ね。
「大御所」という認識は誰でも持っていると思うのですよ。
でも逆にその「大御所」感が、失礼ながら「大御所」のくくりの認識で終わっていて、その奥に行くことがなかなかできないかも、と。
あと、はっきりいってメディア的か、そうじゃないかも大きな要素です。
メディアの露出の差ですね。
本を読むと、プロならある程度、理論や技術の高さもわかると思います。しかし、それってまだすごさの半分も見えていないと思う。実際、着付け師さんが参考になったという本は笹島さんの本が多いのですけど、
ほんとうのすごさは、はっきりいいますけど、私じゃないと伝えられないと、いまや思っています。笹島オタクですから(爆)。
そして自分で検証・証明していますから。なにより、笹島さんのきものに対する考え方を知ることができたのが大きかったと思います。
笹島さんの話を聞き、その手さばきをみた翌朝。
目が覚めて、「あっ!」「(笹島さん流のあの)着付けを試せる!」と、ほんとうに遠足の朝の小学生みたいにワクワクしましたよ。マジで。
あ、でも言っておくと笹島さんから着付けを習ったわけではありません。本に倣っての着付けです。
えらい長々になりました。
すみません、「ほぼ笹島寿美研究家」「笹島オタク」なので許してね(笑)。
でもこの理論や考え方をこれからは月刊アレコレが伝えていきたいと思っています。
そして、最後に。
着付けの技術を笹島一色にしたいということではありません。ベストというのでもありません。それは人によって違いますから。
でもその理論や基本的な考え方はどこの「お家芸」にとっても大いに参考になると思えるのです。
そういうことで、笹島マニアのレポートでした。
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