「月刊アレコレ」vol.113発行。特集は100人コーディネート
お待たせしました!
月刊アレコレvol.113、出ました。
今号の特集は「100人コーディネート」。
100人コーデって? それ、ナニ? という方もいらっしゃると思うので先に簡単に説明しますと————
日本でいちばん大きなきものイベント「きものサローネin 日本橋」というイベントがあります。
今年で3回目。今年は11月に、東京日本橋の三井ホールや、隣のYUITOという場所で開催されました。
日本橋は昔から一級の商業地であり、日本橋三越や高島屋、白木屋(現東急デパート いまは日本橋店はありません)など、デパートの前身である呉服商が軒を連ね、呉服橋という地名も残っているきものの街でした。
いま再び日本橋にきもの姿を取り戻すため、つまりきものを来て訪れてもらえる街、きもの(情報)を発信する街としての復活をここ7~8年試みています。
その取り組みの一環として2年前から開催されたのが「きものサローネ in 日本橋」なのです。
3回目の今年、メーカーや小売店、そしてスタイリスト、着付け師などのほかに、イラストレーター、カメラマン、デザイナーなど、きもの好きなクリエイターさんたちも参加して、まさに100体のきものタウンが現れたのです。
トルソーに着付けられたコーデは、通常、特定業者やブランドの展示会で見ることはできても、これほど幅広いジャンルのきもの愛好者たちによるコーディネートをみることはできません。
ワタクシ、月刊アレコレ編集人や、本誌で「きものカラー講座」を連載している能口祥子さんも参加。ほんとうに楽しい企画になりました。
ワタクシ、3日間お手伝いをしており、来場できなかった人にもこの様子を伝え、コーディネートを見ていただきたいと思っておりました。
という、ながーーーい、前振りになっちゃいました(笑)。
で、詳細は本誌で、なのですが、
アンケートの結果が面白かったのです。(その結果もご紹介しています)
ちらっとご紹介すると、「無地きものに、ちょっと遊びがある洗練された帯」を合わせたもので、コーディネートした人の気遣いが見える小物使いが効いているスタイリングが人気でした。
上位10位に入っている中に、とてもよく似たコーディネートが2~3体入っているのが、え?という感じでした。
その一方、とてもオーソドックスな、王道コーディネートも入ってきています。
ワタクシなりの分析です。分析というより、ある傾向です。
物事の善し悪しは、当たり前ですが、その人の価値観です。
価値観の中には「経験値」や「知識」が入ってきます。
自分の持っている知識や経験や感覚で判断するとき、知らない事柄に関してはジャッジのしようがないのでそこはあまり立ち入りません。
つまり、洋服で鍛えられた感覚で選ぶ場合と、
きものの知識があり、いわゆる目利きと言われる人たちは、素材そのものの良さや、制作に使われている技術の高さ、付加価値を知っています。その知識をベースに置いて選んだとき、「いい」と思うものの基準が全く違って来るということです。
共通の言語(知識)を持たずに選んだ「いいもの・好きなもの」は、選ばれる価値観や基準がまったく別物なのです。
サローネに来た人たちはそういう意味で、きもの歴や職業的にも幅広い人たちが集ったイベントと言えるでしょう。
決して洋服感覚のコーディネートを選んだ人が初心者だということではありません。視点や観点が違うということなのです。
ほんとうに面白い傾向が見えましたが、それだけではなく、これだけの人たちが、スタイリングをして、搬入して、着付けをして、また搬出する(委託もありますが)という手間をかけても参加してくださったというところに、
きものの未来があるなあーと思った次第です。
最新号、月刊アレコレでチェックしてくださいませ。
また、カラーコンサルタントの能口祥子さんの「センスの7割を作る きものカラー講座」は、来年年明けの21日(日)です。
こちらも、皆様、ぜひご参加ください。詳細はこちら。
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