『月刊アレコレ』を置いてあるお店だから安心ね――と言われて。
『月刊アレコレ』読者で、よくイベントにも足を運んでくださる方から、
「今度大阪へ行くのですが、お薦めの呉服屋さんやお店はありますか」との質問。
大阪はほとんど行かないのでよくわからないのですが、
『月刊アレコレ』を取り扱っているお店があり、
私自身は行ったことがないけど、電話で話した店主は
とても気さくな感じの方だったということと、
『月刊アレコレ』を取り扱う経緯が、編集部が
よくお世話になっている方のつながりだったこともあり、ご紹介しました。
『月刊アレコレ』は一般購読の読者と
呉服屋・きもの屋さん、ギャラリーなどの法人の取り扱い先があります。
お店で取り扱っているところは、販売しているところもあれば、毎月お客さまへ送ったり、サービスで差し上げたりしているところもあり、お店としての利用の仕方はいろいろです。
さて、先に、その大阪の店は行ったことがないけれど――という、
上記の通りのお話をしたところ、
「でも、アレコレを取り扱っているお店だから、きっといいお店なのだと思います。寄ってみます」とのお返事。
しみじみと、ありがたいことです。
――『月刊アレコレ』を扱っているお店は、信頼できる安心なお店――
これはアレコレ編集部がずっと目指してきた、ひとつの目標です。
呉服屋さんは敷居が高い。客を見る。
呉服屋さんはコワイ。横柄だ。
きものの価格って、信用できない。
なんで50万円のきものが、20万円でもいいですよ、になるの?
そんな着る人、買う人の呉服屋・きもの屋さんに対する不信が長くありました。
いえ、過去形ではなく、いまだに継続していると思います。
でもまっとうなお店もたくさんあります。
むしろ、一部の関心しないやり方を行うお店のほうが少ないと思いますが、
悪事千里を走る――悪い事だけが情報として先にインプットされてしまうようです。
『月刊アレコレ』は偏った情報ではなく、
着る人が公正にジャッジするための情報をきちんと発信することも
役割のひとつだと思っています。
『月刊アレコレ』は広告が入っていません。
印刷物や出版物を知る人には、いえ、知らない人からでも、
それでどうやってやっていってるの?とよく聞かれます。
はい、だから創刊以来の貧乏編集部ですと答えます(笑)。
また、着る人目線での編集・制作なので、
服屋・きもの屋さんには辛口な記事も少なくありません。
さらには、普段きものを楽しむ人が、入卒・結婚式などの慶事でも
きものを着るようになるという仮定を前提にしているので、
普段きものを主にした編集内容です。
つまり、高価なきものやフォーマルなきものを取り上げる割合は少ないわけです。
(否定するのではなく、フォーマルは普段着の向こうにあるきものという捉え方です)
そんな風だから、呉服屋・きもの屋さんにとっては、
正直うれしいコンテンツばかりとは言えないと思います。
実際、リサイクルきものを取り上げているとお怒りになり、
取扱を止めたお店もあります。
でも、まずはきものを「着る人」「愉しむ人」が増えなければ、
きものは形骸化した衣装になってしまうと思う――。
そして、きものは「ファッションと文化の両翼で次代へ飛ぶ」
――と考えています。
そんな編集方針を持ち、考え方をする『月刊アレコレ』を取り扱ってくださっている時点で、少なくとも普段きものに賛同し、理解があり、着る人目線を肯定してくださっているお店だと思っています。
が、お店に対して100%の保証をアレコレができるものではない、ということも事実です。
仮に、お店のすべてを知り尽くしていたとしても、
人によってベストな店はそれぞれ違うからです。これは決定的な事実です。
いろんなケース、いろんな場面で行き違うことも、
相性がどうしても合わないこともあります。
それは呉服屋・きもの屋さんに限ったことではないと思います。
それでも、少なくとも、きものを扱うプロとしての矜持があり、
きものを大事に思っている、愛している呉服屋・きもの屋さんであってほしいと願っています。
取り扱って頂いているお店は『月刊アレコレ』からすると、お得意先になります。
腰を低くするのがビジネスの世界としては至極当然のことです。
でも、誤解を恐れずに言うと、
扱ってくれればどこでもいいとはもちろん思っていません。
また、取扱いを止めたからお薦めできない店になったということではありません。
昨今、どこでもキビシい経営状況のなかで、
経費削減として取扱を止めるところがあるのは、どうしようもないことです。
それでも、それでも、です。
――『月刊アレコレ』を扱っているお店は、信頼できる安心なお店――
そういう基準となることを目標にしています。
だから、読者の方がそう言ってお店に足を運んでくれるのは、とてもウレシイ。
『月刊アレコレ』の目標にわずかでも近づいているのですから。
そして、もちろん、お店のほうにも編集部の考え方が
きちんと届くことを心がけて行きたいと思っています。
【袂に知恵と工夫。自分サイズのきもの生活をたのしもう。―月刊アレコレ】
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