襦袢

実験・正絹襦袢をお家洗い―3 プレス編

 

プレスに関しての記事はこちらの縮緬を先にします。

まずは見事な縮み様。下になっている赤襦袢は2番目に洗った広幅の襦袢。

袖幅約33cm。緑の縮緬が、がっつり縮んで約28.5cm。同じ人の襦袢です。
もちろん、洗う前は33cm。辛子色の唐辛子襦袢は、ちょっとずれて置いてありますが、
みやざのマイサイズ襦袢。お母様寸法はほぼ同じくらいです。

 

 

さて、乾かないうちにプレスです。

生地は横に伸縮、また縫い目がない端ほど縮むようです。
いわゆる押さえがない状態ってやつですね。
後ろ身頃に比べるとやはり袖の縮み方が多かった。

 

中温ノンスチームでプレスしました。
生地がかなり濡れている状態でアイロンをかけています。
引っ張るとよく伸びますが、地の目が狂うので(すでに十分狂ってはいるのでしょうが(汗 )
一箇所だけを引っ張るのではなく、なるべく広く全体的に引っ張りながら、プレス。

ピザ生地って作ったことありますか? 綿棒でのしていくと端っこの一部だけが、
薄く伸びてしまったりします。コマッタ半島と呼んでいますw

 

そんな風になりかねないので、スタッフの手も借りながら、
押さえ、引っ張り、伸ばしでアイロンをかけていきます。

 

プレス後の袖と、プレス前の袖。ビフォーアフターです(笑)。
袖幅33cmくらいに戻しています。
緑の色が濃いほうはまだ濡れているから。

こちらも同じようにプレスしていきます。

縮緬が非常に時間がかかりました。約40分くらいかなあ。

 

 

そして身頃も。縫い目は引っ張らないようにして、縫い目の内側を押さえて身頃中間あたりを伸ばし気味にプレス。

 

両脇が縫い留められている後ろ身頃は、袖ほど縮んでいません。

両脇縫いで固定(引っ張られているから)されているから、中間あたりが縮むようです。
でも、ノンスチームが正解なのか、どうかはわかりません。
あくまで素人の自己流です。また、かなり濡れた状態でプレスしたからですが、
今回はあて布もしませんでした。
地を整えるのにあて布があるとスムースにアイロンで生地を移動させることができないからですが、
果たしてこれも正解かどうかはわからない・・・・・のですが、

 

そして、プレスが終わったら、縫い目や衿の厚みの湿気を飛ばすように。

再びハンガーへかけて干します。
襦袢のお家洗いは、個人的はできそうな気がしています。
ただ、あくまで自己責任で、ということになるのですが。
(生地・仕立て・強度、そして洗い方や手順の微妙な違いもあるから)

悉皆が本業である満点スリップの 気仙沼たかはしの女将・高橋さんは
縮みは必ずあるけど、洗った時、大事なのは「プレス」とおっしゃっていました。
私もそう思います。洗いは、今回は3枚はネットを使わずに洗いましたが、
木綿や麻の単衣きものを洗うように、ネットを使って、畳んで
丁寧に手洗いすれば、そして適正な時間で脱水をして、段取り良く生乾きさせて、
乾き切らないうちにプレスをする――袷でない襦袢なら正絹でも大丈夫・・・かな。

 

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