着物のシミ抜き

着物染み抜き講座は、受ける価値あり。

ジャーーーン……から始まる最近のブログですが(笑)、
これは本当に見ての通りの焼肉のタレ「ジャン」。
今号の月刊アレコレ「きものびと十人十彩」のコーナーに登場していただいている悉皆屋・扇屋さんの、あなたもできるっ!(←このフレーズは付いてませんでしたが(笑))「シミ抜き講座」です。
着物でお出かけ、「あ、ここ美味しそうじゃない」「いいわね」。
――そして、「うっきゃ~~~~、こぼれた~~」…という場面。
ときにありますねということで、その場面を想定して、なんとジャンさんをお着物につけてしまった……。
よいのか?  よいのよ。
まずはその場でできる応急処置。
「応急処置は手元にあるものを使ってしなければならないですよね」。確かに、確かに。
「そして、してはいけない間違った処置」があるのですが、あ、これ、やりがち、やりがち。
で、ここで問題です。応急処置で使う「手元にあるもの」はなんでしょう?
してはいけない処置は何でしょう?

そして次に専用の道具を使っての実践。
油も含まれている食べ物のシミの処置の仕方を丁寧に実践でおしえてくれます。
まず専用霧吹きを使ってでシミの周囲に何かを吹き付けています……が、
ハイここでまた問題です。霧吹きで吹いている中身は――?
そしてさらに専用液を一塗りしたあとに、馬の毛のシミ抜き専用ブラシを用いて――。
フンフン、フンフン。
あ、このブラシ、染み抜きセットに入っています。霧吹きや専用洗剤も。
見よ! 2箇所つけたジャン。
うっすら残っているほうは、応急処置で対処したほう。
もう一方はほとんど見えませんが、専用道具を使って処置したほう。
この方が、扇屋4代目・貴之さん。
食べ物のシミだけではなく、衿に付いたファンデの落とし方も見せてくれました。また防虫剤でおこるトラブル、その理由を理論的に分かり易くおしえてくれます。
みんな、あまり考えずに防虫剤、使っているでしょ?
これもね、いろいろ知っておかなきゃいけないコト、あるんですよ。
参加者、真剣。もちろんみやざも、かぶりつき(笑)。
希望者が購入した染み抜き専用セットを使って、来週2回目は汚れた着物を持ち込んでの実技です。
(※染み抜きセットは講座を受けて使用法を勉強した人以外には販売していません)
さて、問題の答えを知りたい方は来月の染み抜き講座
申し込むべきです。受ける価値ありますよ。
貴之さんは繊維の特性から薬品の特性まで、非常に詳しく化学的に、科学的に説明してくれます。
最後はお手入れ相談コーナーみたいになっちゃってました(笑)。
で、もうひとつの感想は――、
参加者の質。(着物を)着ているから投げかける質問も皆さん、的確なんです。なにしろお金を出してでも、染み抜きの知識を覚えようとする人たちです。
つまりは自分にとって必要な、覚えたい知識なんですね。
これじゃあ、生半可な呉服屋さん商売をしている社員たちは、
絶対着いていけないって思いました。
そしてもうひとつ、最近思うのは、
1人の人が、草木染めの紬や小紋も着れば、木綿も綿麻も、ポリも着る。
リサイクルで1000円の着物も着れば何十万のお誂えもする。帯も買う。
「お誂えのお客」「リサイクルのユーザー」とかいう区分ではなく、
「着たいパワー全開ユーザー」を感じます。
そういえば、先に紹介したとよさんも熱帯魚の浴衣、
昨年の秋に出会ったそうです。でも我慢できなくって購入お誂え。
今年の夏を待って下ろしたというから、これも「着たいパワー」全開です。

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