着物の店

同じ日銀座。I 蔵・きものオバサンの巣窟編。

ナンの話かってゆーとですね、昨日のin銀座パート?です。美波の取材後、有楽町マリオンの上にある、I 蔵という呉服屋に行ってみたのです。きもの情報誌を編集するみやざえもんが「きものオバサン」という蔑称的な呼び方はいけないかもしれない・・・でも、I 蔵に通じる通路は「~の巣窟」といった感ありです。1年ほど前に銀座にオープン。ウワサはいろい聞いており、興味半分ではあったのですが・・・・・・。下駄を脱いでソコへ上がった時点で、こぱんださんの「N和装ルポ」が脳裏をかすめました。
まず、マリオンの14Fといっても、西武デパートの中からは入れない。つまりデパート店内を見ながら、エスカレータで上へ移動しつつ、あら、こんなところに呉服屋サンができたのね、みたいな展開はありません。ビルの外へぐるりとまわって、別な14Fまで直行のエレベータで行かねばなりません。で、薄暗いエレベータホールの前に立った時点で、周囲に誰もおらず、マリオン内のビルとは思えぬ陰気さ。売られたらどうしよう(笑)。
14Fについてからも、長めの通路。そこを通りながらすでに「私は何かすごい間違ったことをしようとしているのではないかしら」という思いに苛まされる(笑)。気分はほとんど迷った山中で、人気のない城に辿り着いた映画のヒロイン。行くしかないか。
入り口へ辿り着いたら、「トリビアの種」の司会、八嶋智人似の若い男性ときもの女性が迎えてくれて・・・ここまで来たらエーイままよと、下駄を脱いで上がったそのとき、先のこぱんださん「N和装ルポ」が脳裏に浮かんだというワケです。タダでは上がらせてくれない。「お客様、お名前とご住所をこちらに」と当然のように記入を促す女性。
「えっ、ここって見るのに住所氏名、書かなきゃいけないんですか。じゃなきゃ、見られないの~?」→すでにタメ口。八嶋「いえ、そうわけではないんですが・・・本日はチラシをご覧になってのご来店ですよね」「いえ、違います。通りすがりですけど」→後で考えたら、ビルの14Fでシャアシャアと通りすがりと言い切るみやざえもん。
Pict2174_1  で、受付を振り切って入ってすぐに、ここ、ここ、ここです。怒涛のきものオバサンがどお~んと並んでお出迎え。「いらっしゃいませ」といいつつ、20くらいのマナコがみやざえもんのきもの姿を値踏みしているのが、手に取るようにわかる。痛たたっ。その視線。負けるもんかー。
←その日のみやざのきものはコレ。取材はそのときの状況や相手で、きものを着ていくこともあります。誂え正絹小紋黒地に小花、川越で購入した¥3000ブルーグレー小紋柄名古屋、クリップタイプイヤリングを帯留に足袋は白。半衿は薄いサーモンピンクの麻の葉模様。
「すっごーい。圧倒されるわぁー、おきものの皆さんにぃ」とかデカい声で、コロコロ笑いながら雄叫びをあげてみました。だって、無言だと耐えられないんだモン。客は、アタシ1人・・・みやざのきものを見て「本日は何かございましたの?お芝居とか?」 「いーえ、何も」「そうですか、それはそれは」・・・って、何もないってゆってんですけどね。ちょっと天然のオモロイおばさんです。
取り囲まれるとウワサに聞いていた怒涛のオバサンたちは、近寄ってこなかった。ハナからこちらに買い気がないのが、わかったんでしょうかね。きもの好きがどこの店に入ろうと、もちろんいいんです。I 蔵だって、人によっては取り囲まれて決めてもらうのが楽という人もいるかも知れない。でも、でも、きものを見るというワクワク感が、全然なかったなぁ。というか、むしろこっちが見られているみたいな。こう書くとすごく長いけど、結局のところ5~6分?10分もいなかった。「ドーモォ」と言って、さっさと帰ってきたけど、やっぱわくわく感がある呉服屋サンがいいなー。

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